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一日の授業が終わり帰る支度をしていると。
「…な、何事だぁああ!?」
教室の入り口の方からお茶子ちゃんの悲鳴が聞こえてきた。
「出れねーじゃん!何しに来たんだよ!」
「敵情視察だろザコ。敵の襲撃を耐え抜いた連中だもんな、体育祭までに見ときてェんだろ」
『(爆豪くん…!峰田くん固まっちゃってるよ…)』
爆豪くんの雰囲気に圧されて硬直している峰田くんの背中を、私は無言で撫でてやる。
すると峰田くんが"カフェの身体でオイラを癒してくれ!"と抱き着こうとしてきたもんだから、思わず一発どついてしまった。
そんなことをしている間にも爆豪くんは教室の入り口へと向かう。
「そんなことしたって意味ねェから、どけモブ共!!」
『(…か…っ、カッコイイいぃいいい~…!!)』
爆豪くんの言動には何かこう、くぅーっ!となるものがあるよね。
「知らない人のこととりあえずモブって言うのやめなよ!」
でもまぁ飯田くんの言うことは最もだ。
爆豪くんの言動はカッコイイし痺れるけれど、言葉遣いがよろしくない。
「…どんなもんかと見に来たが随分偉そうだなぁ。ヒーロー科に在籍するヤツはみんなこんななのかい?」
「あ゙ぁ!?」
とある男子生徒の問い掛けに、私達は全力で首を振って否定する。
「こういうの見ちゃうとちょっと幻滅するなぁ。普通科とか他の科って、ヒーロー科落ちたから入ったってヤツ結構居るんだ。知ってた?」
「…?」
「体育祭の結果によっちゃ、ヒーロー科編入も検討してくれるんだって。その逆もまた然りらしいよ…」
私達は思わず息を呑んだ。
そして彼はちらりと教室内を見回す。
「敵情視察?少なくとも普通科(おれ)は、調子に乗ってっと足元ごっそり掬っちゃうぞっつー宣戦布告しに来たつもり」
「「『(この人も大胆不敵だなぁ…!)』」」
「隣のB組のもんだけどよぅ!敵と戦ったから話聞こうと思ったんだがよぅ!偉く調子付いちゃってんなぁオイ!!」
「「『(また不敵な人来た…!)』」」
なんか教室が段々と不穏な空気で溢れて来た気がする…。
「本番で恥ずかしいことんなっぞ!」
「…」
B組の男子生徒の言葉に対しては何も言わず、爆豪くんはつかつかと歩き始めた。
「無視かテメェ!」
「待てコラどうしてくれんだ、おめーのせいでヘイト集まりまくっちまってんじゃねぇか!」
クラスメイトの切島くんの言葉に、今度は立ち止まる爆豪くん。
「関係ねぇよ」
「はぁ!?」
「上に上がりゃ関係ねぇ」
そう言い残して、爆豪くんは去って行った。
「…チッ!ンの野郎!」
B組の男子生徒は舌打ちをして爆豪くんの去る姿を見ていた。
「く…!シンプルで男らしいじゃねェか…!」
『うん、やっぱ爆豪くん痺れるわぁ…!』
「へっ、言うねぇ」
「上か…一理ある」
切島くん、私、砂藤くん、常闇くんが爆豪くんの男らしさを噛み締めていると上鳴くんが声を上げる。
「騙されんな!無駄に敵を増やしただけだぞ!」
「そうだそうだ!体育祭、オイラ達が不利になるだけじゃんか!」
峰田くんも上鳴くんとブーイングしていたけれど…
頑張らなきゃな、と更に気力が湧いてきた。
体育祭は二週間後だ。
(っしゃモカ!今日からまた春休みン時みたいに、毎日特訓すんぞ!)
(おー!)