06
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「ところで…私、ずっと気になっていた事がありますの」
「ヤオモモどったの~?」
三奈ちゃんが自身のケーキを突っ付きながら答える。
「カフェさん…貴女、尾白さんと共に火災ゾーンに飛ばされた後はどちらにいらっしゃったの?」
『…相澤先生のとこ、広場に飛ばされたよ』
「「「?」」」
ヤオモモと私以外のみんなは不思議そうに顔を見合わせている。
"広場に飛ばされた"、それだけ聞けばおかしくはない。
「どうしてカフェさんだけ二度も飛ばされたのでしょうか…」
「実は私も気になっていたの。モカちゃんは狙われているの…?」
ヤオモモと梅雨ちゃんの言葉にドキッとした。
更に梅雨ちゃんには、目の前で死柄木弔に捕まっているところを見られている。
「戦力を分散させるなら寧ろ、相澤先生の所へカフェさんを飛ばすよりも、そのまま尾白さんと行動させておいた方が戦力の配分としては賢明…そこまで考えが回らないような相手ではなかったはずですもの」
脳内に、死柄木弔の姿が蘇る。
…死柄木弔に"迎えに来る"と言われたことは彼女達に話していない。
先生方や刑事さん、後は個人的に話した切島くんだけだ。
あの時あの場所に居た、爆豪くんや轟くんにも聞かれていたかもしれない。
けれど二人は、人のことをペラペラ喋るような性格じゃなさそうだし…。
『…』
私がみんなに話していない理由は、昨日の事情聴取の時に、刑事さんに"このことは他言するな"と言われたから。
言われなくても色んな人に喋るつもりもなかったけれど…
敵がどこに潜んでいるか分からない状態で、こちらが変に構える姿勢を見せると敵側を刺激し兼ねないから、慎重に行動したいのだと。
また噂は悪い方向にすぐに広まるからあまり人に言うべきではないと。
私はみんなを信用していない訳じゃないけれど、"刑事さんがそう言うのなら"とその場で頷いたのだった。
『………実はね…』
私は"登校中に救けた人物が死柄木弔だったこと"を話した。
他言するなとは言われたけれど、情報の全てを彼女達に話した訳ではないし、何よりこの話はUSJに行く前に上鳴くんにも伝え済みだ。
もう他言してしまっている以上、この件に関しては今更隠すことはない。
「まぁ、登校中にそんなことが…」
「モカ、そいつ救けた時攻撃されなかったの!?大丈夫!?」
不安そうなお茶子ちゃんと三奈ちゃんが心配してくれる。
『大丈夫だよ!回復手当てしてた時、周りには敵の仲間は居なかったみたいだし…そもそもあの時攻撃してくる気は無かったんだと思う』
「となると…カフェさんのその"個性"を狙われた可能性が高いですわね…治癒・回復系の"個性"は希少で重宝されていますから、目を付けられたと考えるのが妥当ですわ」
「ケロ…登校中に学校の前に、あの敵が居たことも怖いわ。きっとその時からオールマイトを倒す算段を考えていたのね」
「USJでカフェさんを二度飛ばしたのは、一度目にワープ先のミスをしたか…一度わざと相澤先生の元から離す必要があったから…?」
『それに関しては敵達が私の目の前で"一度遠くへ飛ばして体力を減らす必要があったから"って言ってた。"個性"を発動して相澤先生を回復させられるのが嫌だったのと、私を捕えやすくするためみたい…、あっ』
そこまで言って私はハッとする。
これじゃあ"敵から狙われるくらい自分は希少だ、強いんだ"って言ってるようなものだ。
『あ、えっと!今のは私の"個性"が凄いとか、そういうんじゃなくて…!』
「モカちゃん、大丈夫よ」
「えぇ、誰もそのように思っていませんわ」
『そ…そっか…ありがと』
それを聞いて安心する。
ヤオモモ、梅雨ちゃんは冷静で頭の回転がとても早いみたいだ…
頭脳戦は得意なんだろうな。
他のみんなは…
「まぁモカ可愛いからね~、狙われて当然かぁ!」
「こんな子が見ず知らずの自分に手当てしてくれたら、確かにお持ち帰りしたくなっちゃうかも…!」
「うんうん。モカちゃん、気を付けてね!」
「アンタ等ねぇ…」
三奈ちゃん、透ちゃん、お茶子ちゃんとほのぼのしている三人に響香ちゃんが何か言いたそうにしている。
よし、ツッコミは響香ちゃんに任せたぞ。