05
name change
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『名前は敵同士で呼んでるの聞いた、から…』
「そうか」
ドクンドクンと心臓の音が大きく聞こえてくる。
「その死柄木ってヤツ、お前が言ってた"朝から学校の場所を聞いてきた変な男"だろ?」
『…うん…』
「去り際にアイツ、"また迎えに来る"っつってた。あれってお前のことなのか?何でアイツがお前を迎えに来る必要があるんだよ…!?」
痛かった、怖かった、苦しかった。
あぁ嫌だ、思い出したくない。
"…また迎えに来るよ…"
両腕両足を撃たれて血を流しながらも、こちらを見ていた死柄木弔の紅い目が忘れられない。
『…』
思い出したくない…怖い…!
「なぁモカ…!何か言えよ、なぁ!」
俯いて何も言わない私に少し苛立ったのか、半ば強引に彼を視界に入れるうに肩を掴まれた。
そして頬に手を添えられ、上を向かせられる。
…死柄木弔と、同じように。
その瞬間、私の頬を…首を、両手で包んだ死柄木弔の姿が脳裏に浮かぶ。
"目ェ逸らしたら、殺す"
『嫌…やめて!!』
「え、」
ぐっと彼の胸を精一杯押し返した。
彼はまさか自分が押し返されるなんて思っていなかったのだろう。
それは私が彼に見せた初めての"拒絶"だった。
元々静かだった公園が更に静かになった気がした。
「…あー、そーかよ」
いつもより低い彼の声に私は肩を揺らす。
あぁ、自分から彼を押し返しておいて情けないな。
「俺の心配は…お前にとっちゃあ迷惑だったのかよ…!?」
少し震えている彼の声に、私は内心で焦った。
「…そうだよな。俺等が戦ってる間、お前はその死柄木と見つめ合って、キスしてたもんな。戦場でよくあんなこと出来たなァ?」
『え?何言って…』
そこでハッとする。
切島くんが救けてくれたあの時、彼は見ていたんだ…
死柄木弔が私の涙を舐め取るところを。
それをキスだと勘違いされているんだ。
『ち、違うよ、そんなことしてない!』
「お前の口から嘘なんか聞きたくなかったぜ…」
『嘘なんかじゃっ…』
「うるせェよ!!俺がこの目で見たんだよ!!」
彼が私に怒鳴ったのもまた、これが初めてだった。