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刑事さんに事情聴取をされた後、順番に生徒達は帰路に着いた。
事情聴取の順番待ちをしている間は、また敵と戦った時の話や今後が心配だという話でいっぱいだった。
尾白くんから聞いたのか、体術が使えるなんて凄ェ!と上鳴くんが褒めてくれて、なんだかとても嬉しい気持ちになった。
尾白とカフェで体術コンビだな、とも言われた。
楽しそうに言う上鳴くんと話しているとこちらまで明るくなれる気がする。
彼には救われるなぁ、アホだけど。
また、明日は臨時休校となった為、集まれるガールズで集まって遊ぼうと言うことになった。
今日のこともあって、親御さんが外出を許さないお家もあるだろうし…
ほんとに、集まれるメンバーだけでって話だけど。
「…」
『…』
敵の襲撃があって怖かったけれど、1-Aのメンバーだったからこそ乗り越えられた面もあると思う。
あとは、先程学校を出る前に緑谷くんの様子が心配だったため、切島くんと共に保健室に寄った。
けれど、リカバリーガールに"今は寝てるから起こすのは可哀想だし心配無用だから早く帰りなさい"と、保健室に入る前に追い返されてしまった。
「…」
『…』
そして今は切島くんと共に、いつかの入試の後にお世話になった公園へと来ている。
時間や立地の問題で、静かで穏やかなこの公園は私のお気に入りの場所でもあった。
「いやー事情聴取長かったぜ…!ちょっと疲れたなァ!」
『なんか今日一日が物凄く長く感じたよ…はい、お疲れ様!』
「おぅ、サンキュ!」
自販機で買った彼の好きそうな飲み物を渡すと、彼はそれを受け取り早速飲み始める。
彼の隣に腰を下ろして、私も飲み物を喉に流し込んだ。
「そういやぁ…モカ、頭大丈夫か?」
『もっと別の聞き方があるでしょ』
真っ直ぐな彼らしいっちゃ彼らしいけれど、聞き方ってもんがあるでしょう。
地面に後頭部をぶつけたので念の為救急の人に伝えたが、異常は無しとのことだった。
『大丈夫だよ!ありがとね』
「なら良かった!」
私はチンピラ敵と連戦を続けて息が上がったり、地面に後頭部を打ち付けたりしたものの大きな怪我はなかった。
それに対して切島くんは軽傷のみだったようだ。
やっぱり強いんだなぁなんて思う。
「…俺さ、最初にみんなが別々の場所へ飛ばされたあの時、めちゃくちゃ怖かったんだ」
切島くんは地面を見ながら言った。
『私もだよ…目の前で響香ちゃん、緑谷くん、みんなが…順番に居なくなっていくのを見て、怖かった』
思い出しただけで身震いしそうになる。
「あぁ…みんなが居なくなっていくのは見てて怖かった。でもよ、こんなこと言うのはヒーロー志望としてどうかと思うけど…」
『ん?』
「俺はモカが居なくなるのが一番怖かったんだ」
"モカっ!!"
私の名前を呼んで、こちらに向かって走りながら手を伸ばしてくれた切島くんを思い出す。
あの時の彼は見たこともないくらい必死な顔をしていた。
『なんか…嬉しいなぁ、そこまで言ってもらえるなんて』
なんとなく照れ臭くて、私は思わず笑ってしまう。
「笑いごとじゃねェっつーの!」
そう言いながら彼は私の肩を小突いた。
『嬉しかったと言えば。死柄木弔に殴り掛かった時の切島くんに突っ込んでった私を、ちゃんと受け止めてくれたことも…嬉しかったなぁ』
"ヘヘ、ナイスキャッチ!"
彼の腕に抱かれ、彼の笑顔を見て凄く安心した自分が居て、つくづく彼の存在には助けられてるんだなぁなんて実感する。
「…死柄木弔って誰だよ」
切島くんのその言葉を聞いて、自分から死柄木弔の名前を出してしまったことにハッとした。
「あの"手"の野郎か?何で名前知ってんだ?アイツと何かあったのかよ?」
『何か…って…』
顔面を握り締められたり、頭を掴まれたり、地面に叩き付けられたり、首を絞めらたり、目元を舐められたり。
彼の言葉や行動を思い返すと酷く気分が悪くなった。