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それ以降の戦いについては言葉を失った。
次元が違い過ぎた。
オールマイトは血を吐きながらも私達を守り全力で戦って、脳無を会場の外まで殴り飛ばしてくれたのだった。
脳無が吹っ飛んでいった空を見て、死柄木弔が首をガリガリと掻き毟っている。
「あぁ………~っ…!!脳無さえ居れば…!奴なら!何も考えず立ち向かえるのにっ…!」
「死柄木弔…落ち着いてください…」
首を掻き毟る死柄木弔に黒霧は何やら耳打ちをする。
「………、…」
「うん…うんうん…そうだな…」
すると死柄木弔は随分と落ち着いた様子になり、首を掻き毟るのをやめた。
「そうだよ、そうだ…やるっきゃないぜ…目の前にラスボスが居るんだもの…」
『っ…!』
ゆらりと死柄木弔の身体が揺れるのを見て、自分の肩がビクついた。
「主犯格はオールマイトが何とかしてくれる!俺達は他の連中を助けに…」
「…」
「…緑谷?」
「僕だけが…知ってるんだ…」
オールマイトに向かって死柄木弔が走り出す。
同時に緑谷くんもオールマイトの方へと走り出した。
「何より脳無の仇だっ!!」
「緑谷!」
轟くんが緑谷くんを呼び止めるも、緑谷くんの耳には届いていないようだ。
「うおおお…!オールマイトから…離れろおおお!!」
死柄木弔の手がワープゲートに突っ込んだかと思えば、緑谷くんの目の前にワープゲートが現れる。
あ、これは…本当にヤバい…!!
「二度目はありませんよ!!」
だめだ届かない…、
『(間に合わないっ…!!)』
「ひひひ…あはははは、あははははは!!!」
黒霧のワープゲートを通して、死柄木弔の手が緑谷くんの顔を掴みそうになったその時。
ドンッ
鈍い音がして、緑谷くんが地面に落ちる。
そこに居た全員が、USJの入り口の方へと振り返った。
「来たか!?」
オールマイトの声に答えるようにして、パンパンと銃声が響く。
「ごめんよみんな、遅くなったね!すぐ動ける者を掻き集めてきた!」
「1-Aクラス委員長!飯田天哉!只今戻りました!!」
『!…飯田くん!!』
黒霧が言っていた"一名取り逃がした者"っていうのは飯田くんのことだったんだ。
広場に居るチンピラ敵達に先生方が一気に攻撃を始める。
「あーあ、来ちゃったよ…ゲームオーバーだ」
『…』
またぶつぶつと呟く死柄木弔に、私は視線を向ける。
私を切島くんに向かって投げ付けたあの時…
いや、その他にも私を殺せるタイミングは幾らでもあったはず。
『(なのにどうして…?私は相手にすらされてなかったってこと?)』
彼の顔面についている大きな"手"によって死柄木弔の表情は見えない。
けれど、たぶん今…
「…」
『…』
彼も私のことを見ているような気がする。
「…帰って出直すか、黒霧…"パンッパァン!"」
『っ!?』
瞬間的に銃弾が死柄木弔の両腕両足を撃ち抜き、彼はドサリとその場に倒れ込んだ。
そしてそれを庇うように靄を広げる黒霧。
「あぁ…あぁあ…ッ!!」
「死柄木弔!これは!…13号!!」
入り口の所から13号先生が"個性"を発動しているらしく、黒霧と死柄木弔が段々とブラックホールに吸い込まれていく。
それに負けじと黒霧は徐々にワープゲートの出口を塞ぎ始めた。
「今回は失敗だったけど…また迎えに来るよ…そして…」
『っ…!』
「今度は殺すぞ…平和の象徴 オールマイト…!!」
倒れながらも最後、死柄木弔はしっかりとオールマイトを見て言い放った。
そして黒霧が完全に去った後、会場内に静寂が訪れた。