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「試験終了〜!!」
試験終了の掛け声と共にサイレンが鳴る。
『(とりあえず…悔いはない、かな…)』
やれるだけやった。
これで受からなかったら、それは自分の力不足…うぅん、そんなことは今は考えないでおこう。
『(それより眠い…さっき"個性"を使い過ぎたせいかな…)』
私はその場に座り込んだ。
『…』
…正直に言うと、倒した仮想敵の数は多くないと思う。
私の"個性"は"回復"。
生き物に対してのみ、外傷や体力を回復させることが出来る。
吐き気や頭痛等の神経的な負傷や内科的な治癒は出来ないけれど、外科治癒は得意な訳だ。
まぁ、"個性"を使い過ぎると眠気が襲ってくるので普段はあまり使わないようにしているのだけれど。
『ふわぁあっ…』
私が眠い理由は、仮想敵との対戦によって傷付いた受験生達に、"個性"を使っていたからだ。
もちろん全員が全員に私の"個性" を使っていた訳ではないし、他の受験生達に塩を送っていた訳でもない。
その分自分がポイントを稼げなかったのだから、暇潰しという訳でもない。
…人として、頭から血を流してたり仮想敵の攻撃を受けているのを見ると、放っておけるはずがなかった。
私はそういう人達を救けたくて、支えたくてヒーローを目指しているのだから。
『(眠い…でもこんな、試験会場で寝たりしちゃダメだ…何とか頭動かさなきゃ…)』
靄が掛かったような思考の中、考え事をして無理矢理頭を働かせる。
すると突然、会場内に女性の高い声が響いた。
「はいお疲れ様〜!」
この声は…
「お疲れ様お疲れ様〜!はいはいハ○ボーだよ、ハリ○ーをお食べ」
リカバリーガール!
治癒力の超活性化を"個性"とする、雄英の看護教諭だ。
「あ、ありがとうございます…」
「はいはいそっちもねぇ」
同じ治癒、回復系ヒーローのリカバリーガールが目の前に居る。
ちっちゃくて可愛い。
「おや…ここの会場の子達は思ったより怪我が少ないね…」
「あ!実は俺さっき、その子に回復してもらって…」
「自分の怪我もその子が…」
「おやおや、この子…希少な治癒系の個性持ちかい?珍しいねぇ」
目の前で、さっき回復手当てを施した時の受験生とリカバリーガールが話をしているけれど、ぼーっとして内容が頭に入って来ない。
「この子は怪我っていう怪我はしていないようだね。少しそのまま身体を楽にして休ませてやるといいさ。…はーい他に怪我した子はー?」
リカバリーガールは私の頭をぽんぽん撫でてから、忙しそうにこの場を去って行った。
頭をぽんぽんされただけで安心感でいっぱいになる。
あぁ、やっぱりヒーローって凄いなぁ。
私は瓦礫に凭れ掛かるようにして瞼を閉じた。