05
name change
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「黒霧。コイツ全く動かないし弱そうだ…最初に一度どこかへ飛ばす必要なんて無かった」
"しがらきとむら"、それがこの"手"の男性の名前らしい。
そして男性を呼んだのは"くろぎり"と呼ばれた先程の靄敵だ。
黒霧はぼんやりとしたシルエットで、男性…もとい死柄木弔の傍に佇んでいる。
『い゙っ…!?』
突然、私の顔面を掴んでいた死柄木弔の手に、グッと力を込められる。
顔面が潰れそうに痛い。
「いいえ、この者は体力の消耗をしているようです。それは最初に一度大勢の相手をしたが為…ここで暴れられては面倒でしょう、これで良かったのです」
「…。13号は殺ったのか?」
「行動不能には出来たものの、散らし損ねた生徒がおりまして…一名逃げられました」
私を置いて進められる話に頭が着いて行かなくなりそうだ。
『(それより13号先生を行動不能にしたって…!?)』
話の流れからすれば殺されてないようだし、生徒が一名逃げたっていうことは…
ただ逃げ出しただけとは考えにくいし、誰かが救けを呼びに行ってくれたってことだ…!
なら救けが来てくれるまで時間稼ぎをしなきゃ。
「…は?」
『わっ…!』
顔面を掴まれていた手をパッと離された。
突然明るくなった視界に目が眩み、どすんとその場で尻もちをついてしまう。
「はーーー…はあーーーっ…」
目の前には首を掻き毟る死柄木弔と黒霧が居る。
『(この人達何か話し合ってるみたいだし…行くなら今だ…!相澤先生…っ!!)』
手の末端に、予め回復の"気"を溜める。
これで、一瞬だけでも相澤先生に触れられれば…少しは回復させられる!
そこまで考えて走り出そうとした瞬間。
「おい」
『い゙っ!』
死柄木弔に腕を引かれたかと思えばそのまま地面に押し倒され、4本の指で首を絞め付けられた。
『ぁがっ…!!』
その際に後頭部を床に強く打ち付けて、一瞬意識が飛びそうになる。
「黒霧…お前…!お前がワープゲートじゃなかったら…粉々にしたよ…!!」
怒りを含んだ彼の声に合わせるようにギリギリと指先に力が込められる。
死柄木弔は黒霧を一切視界に入れず、私を睨み付けたまま指の力を強くしてくる。
『や…ぁ…息が…っ』
必死に藻掻くも、死柄木弔は力を緩める気はないようだ。
どうしよう。
どうしようどうしようどうしたら良い?
誰か。
『………か…は…っ』
誰か、救けて。
『…ぅ…』
段々と遠くなっていく意識の中で、相澤先生の方を見ると…
相澤先生のそのまた向こうの水辺に、見知った顔を見付けた。
『(そんな所に居たら見付かっちゃうよ…!梅雨ちゃん、峰田くん…緑谷くん…!!)』
「!」
心の中で彼らに語り掛けたその時、緑谷くんと目が合った…ような気がした。
私は心の中で相澤先生をお願い、と訴える。
『(私、死ぬのかな?こんな訳も分からず、八つ当たりみたいなことで…)』
視界が霞んできた時。
パッと、突然首から手が離された。
反射的に私は大きく息を吸ったため咳き込む。
『げっほげほ、えっほ、はぁっ…はあ、はぁ…』
脳に酸素が回っていなかったからか、頭が酷く痛い。
「流石に何十人ものプロが相手じゃ敵わない…ゲームオーバーだ…あーあ、今回はゲームオーバーだ…帰ろっか」
死柄木弔が立ち上がり、黒霧に話し掛ける。
私も立たなきゃ。
なのに…
『(身体…力、入んない…)』