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『切島く…、っ!?』
伸ばした手が空を切る。
先程の黒い靄に包まれたため、思わず瞑ってしまった目を開くと、いつの間にか見知らぬ場所に居た。
たぶん先程の靄の敵の"個性"…瞬間移動かワープ、だろうか。
『…』
辺りにはビル等の、様々な建物が並んでいた。
でも一点、異質と言えるのは…
『建物が燃えてる…』
轟々と燃え盛る炎を前に私は周囲を見渡す。
しかし誰も居ないようだ。
さっきの靄の敵が言っていたように私達は一瞬で散り散りにされてしまったらしい。
『(ならみんなもどこかへ飛ばされたはず…)』
ふと空を見上げるとそこに陽はなく、先程の演習場の天井が見える。
ということは、ここは13号先生の用意した演習場…
まだ私達はUSJ内に居るんだろう。
『(靄の敵は私達を"嬲り殺す"って言ってた。でもまだ実際殺されてないし、本気で殺す気なら移動先をあの炎の中にでも選んだはず…。それともワープ先は選べないのかな…?いや、だったら彼等がピンポイントでUSJ内に来れる訳ないし…)』
悶々と一人で考え込んでいると。
『っ!?』
突然視界が陰り、勢い良くその場を跳んで離れた。
そこに居たのは…敵。
先程の靄敵とはまた別の敵だ。
ついさっきまで私が立っていた場所には、刃物が刺さっている。
「今のを避けるか…凄いなぁ、お嬢ちゃん?」
そう言われたかと思えば更に攻撃を仕掛けられる。
…が、避けれないことはなさそうだ。
『(あれ、もしかして体術と特訓の成果?)』
「オラァ!」
『…っ!』
拳を出してきた敵の足に自分の足を引っ掛けて転倒させ、急所に蹴りを決め込む。
「この野郎!」
それを見ていた敵が二人揃ってこちらに武器を振り翳した。
『(うわぁ!二人同時は無理ぃ!)』
先に飛び掛かって来た敵を躱して、後の敵は攻撃するか…!
そこまで考え、構えをとったその時。
「やぁっ!!」
敵が二人纏めて吹っ飛んで行った。
『へっ…?』
「カフェさん、大丈夫!?」
『尾白くん!』
今のは、尾白くんが尻尾で二人をぶっ飛ばしてくれたらしい。
『ありがとう助かった!無事で良かったよ…尾白くん一人?』
「うん、俺一人。カフェさんも一人っぽい?」
『そ!』
短くやり取りを交わし、尾白くんと背中を合わせて構える。
「何をぺちゃくちゃと!!」
『………うわぁ、ザコっぽいセリフ…』
「敵を煽るのやめよう?」
思わず小声で呟くと、尾白くんにすかさず突っ込まれた。
「…なんだとクソガキィィイ!!」
苛立った様子の敵達が数人ずつ現れては、次々と猛攻を仕掛けてくる。
『き、来たぁぁあ…!』
「集中しよう…!」
私達は敵に相打つため、敵に向かって駆け出した。