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「やはり先日のものはクソ共の仕業だったか…!」
相澤先生の言う"先日のもの"とは、マスコミが高校に突入して来た時のことを言っているのだろう。
「敵(ヴィラン)ンン!?バカだろ!?ヒーローの学校に入り込んでくるなんて、アホ過ぎるぞ!」
そりゃそうだよね、マスコミの人達が雄英のセキュリティーを破れるはずないのだから…。
「先生!侵入者用センサーは…!?」
「もちろんありますが…」
『反応しなかったってこと…?』
まさか壊された…?
いや、今はそんなことよりどう動くかを考えないと…!
「現れたのはここだけか、学校全体か…何にせよ、センサーが反応しねぇなら、向こうにそういうことが出来る"個性"(ヤツ)が居るってことだな」
『…!』
「校舎と離れた隔離空間…そこに少人数(クラス)が入る時間割…バカだがアホじゃねぇ…これは何らかの目的があって、用意画策とされた奇襲だ…!」
轟くんの言葉にみんなは不安そうな表情を浮かべる。
相澤先生と13号先生が短くやり取りしたかと思えば、相澤先生が上鳴くんに指示を出した。
「上鳴!お前も"個性"で連絡試せ!」
「ッス!」
「先生は…!?一人で戦うんですか!?あの数じゃいくら"個性"を消すと言っても!イレイザーヘッドの戦闘スタイルは、敵の"個性"を消してからの捕縛だ!正面戦闘は…!」
緑谷くんが相澤先生に必死に訴え掛けるが、先生は緑谷くんに短く返事をする。
「一芸だけじゃヒーローは務まらん。13号!任せたぞ」
その言葉を合図に、相澤先生は敵軍団の中に飛び出して行った。
『先生!!』
「さぁ、みなさん早く避難を!」
13号先生に肩を抱かれて、私は後ろ髪を引かれる思いで出入り口へと向かう。
『(相澤先生…っ!)』
入り口に向かってみんなで走っていると、目の前に黒い靄のようなものが現れた。
「させませんよ」
『な、何これ…!』
「初めまして、我々は敵連合。僭越ながら…この度ヒーローの巣窟 雄英高校に入らせて頂いたのは、平和の象徴 オールマイトに息絶えて頂きたいと思ってのことでして」
「…は!?」
オールマイトという言葉に反応したのは緑谷くんだ。
「本来ならここにオールマイトがいらっしゃるはず…ですが、何か変更があったのでしょうか?」
何だろう、この敵からは何か凄く重厚感を感じる…
私達が太刀打ち出来るような相手ではないということが、本能的に分かる。
「っ…」
13号先生が靄の敵に指を向ける、が。
「「うぉおおおっ!!」」
先生が"個性"を発動する前に、爆豪くんと切島くんの二人が相手に飛び掛かった。
『爆豪くん!切島くんっ!!』
「その前に俺達にやられることは考えてなかったか!?」
なんで…なんで飛び出しちゃうの…!?
『二人ともやめっ…うわっ…!』
二人の攻撃による黒煙で辺りが見えなくなってしまった。
視界は悪くて周りが見えないのに、先程の靄の敵の声はしっかりと耳に届く。
「危ない危ない…そう、生徒と言えど優秀な金の卵」
「ダメだ…退きなさい、二人とも!!」
13号先生の切羽詰まった声がする。
「私の役目は…貴方達を散らして、嬲り殺す…!!」
敵のセリフが嫌に耳に残った。
『…!』
嬲り殺すって、そんなの。
「何っ!?なんだぁっ…!?」
切島くんの声にハッとすると、辺りが黒い霧のようなもので包まれていく。
『み、みんな!』
近くに居た響香ちゃんの手を取ろうとするも、響香ちゃんは目の前で…消えてしまった。
消えたと言うより、靄に飲まれていくと言った方が正しい。
みんなは次々に靄に飲まれていく。
『嘘…い、嫌…みんな…っ』
その時脳内でリピートされる、先程の敵のセリフ。
"嬲り殺す"
「モカっ!!」
名前を呼ばれて反射的に顔を上げる。
そこにはこちらに向かって走りながら手を伸ばす切島くんが居た。
私は何を考えるより先に、切島くんへと手を伸ばす。
『切島くん…っ!!』
手が触れる、そう思った瞬間。
目の前が真っ黒な靄に包まれてしまった。
「皆ーーーっ!!!」
(飯田くんの声が、酷く遠くで聞こえたような気がした)