04
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「こういうタイプだった、くそう!」
「意味無かったな~!」
バスは予想していた全席二列シートタイプではなかったため、それを想定していた飯田くんは落ち込んでいる。
そして三奈ちゃんが飯田くんに追い打ちを掛けている…。
梅雨ちゃんが何か話しているけれど聞こえない。
そう、盛り上がっているみんなと私の席は離れているのだ。
いいなぁみんな楽しそう。
私の席は爆豪くんと響香ちゃんの後ろ、つまり…轟くんの隣だ。
『…』
ちらりと隣の轟くんを見る。
轟くんは目を閉じているからたぶん寝ているのだと思う。
起こす訳にもいかないからじっとしていよう。
本当はお話して仲良くなりたかったんだけどなぁ~。
『(轟くんとはあまり話したことないし、ちゃんと顔を見たことなかったけど…)』
こうして見てみると、めちゃくちゃ美人さんだ。
睫毛長っ…
お肌も全体的に白いし綺麗だなぁ…
隣に居るこっちが女子として恥ずかしくなってくるレベルだ。
「…なぁ」
『!?』
突然動いた轟くんの唇に驚いていると、轟くんがゆっくりと目を開いた。
「そんなに見られてっと、寝れねェ」
ぱちりと、初めて目が合う。
吸い込まれそうなくらい綺麗な双眼だ。
そこまで考えて私はハッとする。
そんなにじっくり見てしまっていたとは。
『あ、ご、ごめん!失礼だったね!』
慌てて目を逸らす私に轟くんは特に何も言わない。
「…」
『…』
うわぁ気まずい、さっきの投票の話も相まって余計に気まずい…!
投票の話は轟くんに聞こえてたどうかは分かんないけど、私が勝手に気まずい。
「あとさっきの投票の話だが…」
聞こえてたようです…
穴があったら入りたいとはこのことだ。
『あ、うん…』
「何を思って俺に票を入れた?お前にとって、俺に入れるメリットって何だ?」
私を見るわけでもなく外の景色を見ながら、淡々とそう問い掛けてくる轟くんに、私は慌てて声を上げる。
『あ、違うよ!メリットとかそういうんじゃなくて…』
「…」
『ヒーロー基礎学で対戦した時、轟くんは圧倒的に強かったからさ…』
対人戦闘訓練で轟くんの氷に瞬殺されたことを思い返す。
轟くんは横目でこちらを見ていた。
『委員長が轟くんだと一番、みんな締まりそうかなと思って!なんとなくだけど!』
とりあえずそう言いながら笑って誤魔化した。
後は他の子達に任せるとゴチャゴチャしちゃうかな~なんて思ったり…。
『なんか本人に言うの恥ずかしいねぇ』
「…」
『あはは…』
「…」
スルーかい…!
無反応ってだいぶ辛いな。
何も言わない轟くんに、私は耐え切れずに俯いて口を噤む。
するとそのタイミングで切島くんが、こちらへと振り返った。
「派手で強ェっつったら、やっぱ轟と爆豪だな!」
『(タイミングが神…!)』
良いタイミングでこちらに話を振ってくれた切島くんに、私は心から感謝しておいた。
「ケッ 」
「…」
爆豪くんは相変わらず無愛想だ。
轟くんは何も言わない。
「爆豪ちゃんはキレてばっかだから人気出なさそ」
「んだとコラ出すわ!!」
「ホラ」
思わず立ち上がる爆豪くん。
『…っ』
売り言葉に買い言葉な爆豪くんを見た私は、下を向いて含み笑いをする。
「この付き合いの浅さで既に、クソを下水で煮込んだような性格って認識されてるってスゲーよ」
「テメェのボキャブラリーは何だコラ殺すぞ!!」
『ぶっは!!』
上鳴くんの言葉のセンスに、私は思わず吹き出した。
「なァに笑っとんだテメェコラ、あァ"!?」
『うわ怖っ!?』
怒りの形相で爆破の構えを取ってくる爆豪くんに思わず身構える。
「喧嘩はやめたまえと何度言えば分かる!?」
「うっせーぞクソ委員長が!」
「クソ委員長とは何だ!」
あぁ、飯田くんまで巻き込まれている。
私は声の大きさをを控えめにしながらも笑った。
「もう着くぞ、いい加減にしとけよ…」
「「『はーい!』」」
相澤先生のその一声により、バス内は落ち着いたのだった。