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「コイツらマジでキリないし、早くお風呂行っちゃいなよ」
倒れた上鳴くんと峰田くんを冷めた目で見ながら、響香ちゃんはそう言ってくれる。
『あ…じゃあね、お願いがあるんだけど…』
私はちらりと響香ちゃんを見遣った。
『女子全員でお風呂入りたい』
「はァ?」
響香ちゃんが"何を言ってるんだコイツは"とでも言いたげな表情で見てくる。
なかなかにひどい。
けれど私は言葉を続けた。
『ほら、あんなことがあった後だしさぁ~…私ちょっとまだ精神的にしんどくてさぁ~…癒やしがほしいっていうか~…』
すごい白々しい言い方だけれど、これはチャンスなのだ。
久々にみんなとお風呂に入るチャンス。
"一人になりたくないの…"とか、"みんなと一緒に居たくて…"とか、そんな可愛い理由だったら良かったんだけれど…
あいにく私は、そんな可愛い理由は持ち合わせていない。
単純に女体を拝みたい。
「モカちゃん、鼻血出てるわ」
梅雨ちゃんが冷静にツッコんでくれる。
本気で心配してくれているみんなに申し訳無いと思う気持ちもあるし、下心全開だけど…
仕方無い、これが私の本心なのだから。
「だからってみんなでお風呂ってっ…」
「いいじゃん、林間合宿の時もみんなで入ったしさ~!」
「あはは、モカらしいや!賛成賛成~!」
透ちゃんと三奈ちゃんが加勢してくれる。
「私達が揃って入浴することで、麗日さんや蛙吹さん、そしてカフェさんが少しでも元気になってくださるのなら…!もちろんご一緒致しますわ!」
『ヤオモモぉ~!』
「梅雨ちゃん達元気になるのかな」
「ケロ…でも久しぶりにみんなとお話したいわ、楽しそう…!」
「…」
盛り上がる私達の隣で、お茶子ちゃんはぼんやりとしていた。
まだサー・ナイトアイのことが頭から離れないのだろうか、お茶子ちゃんは何も言わない。
『お茶子ちゃんも強制だからね!…行こ?みんなで』
「…うん…っ!」
お茶子ちゃんはいつもの笑顔を見せてくれた。
『ってことだから響香ちゃん、行こう!お風呂だお風呂~!』
「あ、ちょっ…もう…!」
私はぎゅっと響香ちゃんの腕にしがみつき、リビングを出た…
いや、出ようとした。
リビングの扉に手を掛けたその時。
「今から女子全員で風呂に入ると聞いて…!」
「黙って見過ごすわきゃねーよなぁああ…!」
後ろから上鳴くんと峰田くんの声がして、恐る恐る振り返った。
「「混ぜてくれぇぇえ!!」」
「『ぎゃあぁああああ!!』」
ドクン
ゴッ
響香ちゃんは"個性"で、私は拳で、それぞれ変態共をシバいた。
美人さん達とご一緒したい気持ちはめちゃくちゃ分かる。
けれど、"男女の壁"とは…ぶ厚いものなのだ。
私は拳を擦りながら、フゥと息をついた。
『気持ちは分かるけど落ち着け!』
「アンタが一番落ち着け」
おっと、鼻血がまた流れてきたようだ。
私はハンカチで鼻血を拭った。