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自分が不死身かどうかなんて、分かるわけがない…。
『それに私の両親は、生死にまつわる"個性"は持ってないですし…』
私はぽつりと誰へともなく呟いた。
すると…
「えぇ。その点も踏まえると…恐らく不死身ではないと思われます」
ここにきて、今まで黙っていたお医者様が口を開いた。
「もう一方の男性は確かに致命傷でしたが…このお嬢さんの傷はそれに比べるとまだ小さな方でした。それと、他にも幸運が重なった…」
「他にも?」
「えぇ」
切島くんの言葉にお医者様は頷いた。
「今回のこのお嬢さんの場合は特別なんです。もしあの男性と同じくらいの大穴を空けられていたら…石柱が刺さったままになっていたら…」
『…』
「このお嬢さんは、助からなかったでしょう」
考えただけで身震いする。
もうあの感覚を味わうのは…嫌だ。
「つまり不死身という訳ではありません。今後も怪我を負わないよう、無茶はしないように気を付けてください」
『…はい…』
私の声が小さく病室内に響いた。
「さぁ、もういいだろう。そろそろ寝かせてやんな」
『リカバリーガール…』
「はい…。すまなかったね、カフェ少女…疲れているのに…」
「まったくだよ!」
「ま、まぁまぁリカバリーガール…!オールマイトはカフェさんが心配で…」
オールマイト、リカバリーガール、緑谷くんを見て私は苦笑した。
「モカ…俺っ」
「はいはい、みなさん出て行きますよー」
「ちょっ…待ってください!俺ァまだ、」
「彼女はお疲れのようですから、ゆっくり寝かせてあげてください!」
何か言いたげだった切島くんの背中を押しながら、看護師さんが部屋の外へと彼を連れて行く。
「…また様子を見に来る。この調子だと明日には緑谷達と一緒に退院できるらしい」
相澤先生がいつもの表情で私を見て言った。
『はい…ありがとうございます』
「ま、できるだけゆっくり休め。以上だ」
『はい…!』
相澤先生の背中を見送ると、病室の扉がゆっくりと閉まった。
『…』
いろいろ、思うことはある。
喜んでいいのか、悲しめばいいのか、今の私にはよく分からない。
頭の中がいっぱいいっぱいで、難しいことは今は考えられない。
『(とりあえず、今言えることは…)』
私はゆっくりとベッドに倒れ込んだ。
『(ありがとう、私の"個性"…命を守ってくれて…)』
心の中で呟くと同時に、目を閉じた。
そしていつの間にか、私は深い眠りについていたのだった。
(生きてて、良かった…)