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地上に出ると、何やら叫び声が聞こえた。
「 ああああああ!!! 」
ドォンと大きな音がする。
あれは…
『(緑谷くん…!?)』
小さな女の子をおぶりながら、ボロボロになっている男を何度も床に叩き付けている緑谷くんが居た。
あの女の子が、恐らくエリちゃん…!
緑谷くんに何度も叩き付けられるようにしているボロボロの男はたぶん治崎だ。
ボロボロな治崎を、お茶子ちゃんが地に押し倒している。
私達はリューキュウから降りた。
「状況は!?」
「ナイトアイは後方に居ます、周辺住民には避難を呼び掛けました!治崎はデクくんが!けど!様子がおかしい!」
焦ったようなお茶子ちゃん。
私は緑谷くんの方に再度視線を戻す。
「~~~っ!!」
エリちゃんは止めどなく涙を流しており、緑谷くんは苦しそうな様子だ。
「デクくんが超パワーで倒してから急に苦しみ出して…!」
『(あんなの見たことない…!緑谷くんもエリちゃんも、苦しみ方が尋常じゃない!)』
止めなきゃ。
もうすぐだ…もうすぐでエリちゃんを救けられる。
『(緑谷くんがエリちゃんをおぶってる…治崎もお茶子ちゃんが捕えてる…!)』
戦況的には、こちらが有利だと思う。
『(でもあれはたぶん…緑谷くんとエリちゃんが、暴走してる…?止めに行かなきゃ…!)』
辺りにヤクザの仲間が居ないことを確認する。
そして、私は再度緑谷くんとエリちゃんの方に目を遣った。
『(エリちゃんをいつまでもこの場に留めておくのは良くないよね…安全な場所へ保護しなきゃ…!)』
緑谷くんとエリちゃんの所へ向かおうとするが、足元がフラついてしまう。
"個性"の使い過ぎだろうか。
でもこれから緑谷くんとエリちゃんを回復させなければ。
そして、早々にこの場を去らないと。
『(もう少しだけ…耐えて、私の"個性"…!)』
私は力強く、一歩前に踏み込んだ。
『緑谷く ドスッ 』
何やら鈍い音がした。
頭が一瞬で真っ白になり、何も考えられなくなる。
『………おぇえっ…!!』
自分の目の前に赤黒い飛沫が飛び散るのが見えた。
口の中が苦い。
なぜか鳥肌がたった。
「カフェさん!!」
みどりや…くんの…こえ?
なにこれ、くるしい、あつい。
おなかが…いたい…?
『…』
恐る恐る自身の腹部に目を遣る。
するとそこには…
私の腹を後ろから貫くような形で、コンクリートの石柱のようなものが刺さっていた。
『…!!』
それを認識した瞬間…
『(死 ぬ … ?)』
目の前が霞み、視界が真っ暗になった。
「 治崎ぃぃぃいい!!! 」
緑谷くんの怒声が、どこか遠くで聞こえた気がした。