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あの後ミリオ先輩には回復と止血を施した。
いまはミリオ先輩を担いだ天喰先輩が私の隣を歩いている。
確かこちらの方向に相手は向かったらしい…のだけれど。
『さっきからずっと同じ路ですねぇ…』
「…いや、あそこ。何かの部屋なのか…?ドアみたいなのがある…」
『うぁ、ほんとだ』
天喰先輩の視線の先に、ぽつんとドアがあるのが見えた。
「ヤツ等が居るかもしれない、注意していこう…」
天喰先輩の言葉に頷き、私はじりじりとドアの方まで寄っていく。
『!先輩…!ドアが開いてます!』
「中の様子を見てみよう、気を付けて…」
『はい…!』
天喰先輩と共にドアの隙間から部屋の中を覗き込む。
するとそこには…
『相澤先生…!?』
ヤクザの構成員一名に捕らえられた相澤先生が居た。
『救けなきゃ…!何か、飛び道具とかであの男を…』
「待ってカフェさん、俺が行く」
『でも先輩フラフラですし、ミリオ先輩も担いだままでそんな…』
「いいから…カフェさんは俺の合図でドアを開けてほしい。思いっ切り」
天喰先輩には何か考えがあるのだろうか、いつもよりしっかりとした口調で私に指示を出した。
『…分かりました』
あぁして言い切られると、こちらとしては頷くしかない。
先輩は言葉を続ける。
「ドアを開くと同時に俺がアイツを拘束する。次に…」
天喰先輩がくるりと後方を振り返った。
「俺達の出番だな!」
「部屋に雪崩込むようにして入ろう」
「はい…警察の皆さん、よろしくお願いします」
天喰先輩の言葉に、私を含め全員が頷いた。
「よし…」
天喰先輩が小さく息をついた。
「今朝、ファットに貰ったカジキの特徴…腕に"再現"…!」
ヴゥン!と音を立て、先輩の腕の先がカジキそのものになる。
『わ、凄い…!役立つんだ、カジキ』
「その話は後…」
私と先輩は再度ドアの隙間から中の様子を伺う。
「………今だ!」
『はい!』
バンッ
指示通り勢い良くドアを開くと同時に、天喰先輩がカジキになった腕を突き出した。
「玄野だな、動いてろ…お前の発動条件は把握してる」
構成員の玄野の右手首に、先輩のカジキが突き刺さる。
同時に一斉に警察官の人達が部屋に雪崩れこんだ。
「警察だ!!」
「抵抗は無駄だ!!」
「くっ…!」
玄野は悔しそうにしている。
『相澤先生…良かった…』
「先輩!キュアヒールちゃん!」
『この声…?』
少し離れた所から、見慣れたクラスメイトがやって来るのが見える。
「良かった、ルミリオンは無事!?」
『つゅ…FLOPPY!』
ここでクラスメイトの顔を見てホッと安心する。
「ケロケロさん、そっちは!?」
「デクちゃんが…!こっちへ来て!」
「…分かった」
『とりあえずコイツ拘束しましょう!』
私達は相澤先生と警察の方々の力を借りて、玄野を捕縛した。
「みんな、こっちへ!」
近くで待機していたリューキュウに私達は乗る。
梅雨ちゃんは相澤先生を、天喰先輩はミリオ先輩をそれぞれ抱きかかえている状態。
空中とは言え、もし相手が襲ってきたらすぐに動けるのは私一人だ。
『…』
飛び道具や遠距離攻撃を持たない私は…
もし襲われたら…
神野事件の爆豪くん救出作戦の時みたいに(未遂だけど)、私が地に降りて戦わなきゃならない。
あの時は切島くんに"やめろ"って怒られたけど…
次こそは私が行くしかない。
「行きましょう…地上へ!!」
私達はリューキュウの声に頷いた。