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《「セキュリティⅢが突破されました。生徒の皆さんは速やかに屋外に避難してください」》
「セキュリティ突破って…敵か!?」
「早く避難すっぞ!」
切島くんと上鳴くんが立ち上がるのに釣られて私も立ち上がる。
『非常口、確かこっちだったはず!』
記憶の中の非常口の方へと向かおうとするも、周りは人だらけ。
大食堂に居た生徒達が一斉に非常口へと走り出したため、廊下は人で溢れ返っていた。
そして私達三人も人混みに流される。
「う、うわぁああ!何だこれぇ!?」
「上鳴落ち着け!」
『あ、二人とも!あそこ見て!』
人混みの中、ガラス越しにたまたま見えた外には…大量のマスコミ達が居た。
『(マスコミが雄英のセキュリティーを突破したの…!?)』
「なんだマスコミか…」
「安心してる場合じゃねェって、なんとかここ落ち着けねーと!」
『とりあえず、みんなに"マスコミだ"って知らせよう!』
私達三人は頷き合う。
「みなさんストップ!!ゆっくりゆっくり!」
「…んだこれ!?何でみんな止まんねェんだよ!?」
『わ、分かんなっ…』
切島くんと上鳴くんの大声もみんなには届かない。
「「『うわぁああ…!!』」」
そして私達は三人揃って人混みに流された。
「モカ!」
少し離れたところで切島くんが私の手首を掴む。
「俺から離れんなよ、ここでコケたらコイツ等に踏まれっぞ!」
言いながら、グッと自分の近くへと引き寄せてくれる切島くんが、いつもより頼もしく感じた。
『あ、ありがと…!』
「上鳴、オメーもだ!」
「サンキュ!」
今度は二人が手を取り合い、私達三人ははぐれないように固まる。
『さっきは大声を出してもダメだった…他に何かみんなを落ち着かせる手は…』
「うぉおおおお!!」
必死に頭を働かせていると、頭上から男の子の声がした。
「「『!?』」」
あれは…
『飯田くん…!?』
空を飛びながらなぜか超回転している飯田くんだった。
そして非常口の看板のところに勢い良くへばり付いたかと思えば…
「みなさん…大丈ー夫!!」
飯田くんが大きな声を上げた。
突然の大声に、みんなは徐々に静まる。
「ただのマスコミです!何もパニックになることはありません!大丈ー夫!ここは雄英!最高峰の人間に相応しい行動を取りましょう!!」
「「『はは…』」」
私達三人は顔を見合わせて笑った。
***
「ほら委員長、始めて?」
みんなの前に立っているのはヤオモモと、緑谷くんだ。
堂々としたヤオモモとは反対に緑谷くんはおどおどしている。
「で、では、他の委員決めを執り行って参ります…!けど、その前にいいですか…?」
「え…?」
みんなの視線が一度に緑谷くんに集まった。
「委員長はやっぱり飯田くんが良いと…思います!あんな風にカッコ良く人を纏められるんだ。僕は…飯田くんがやるのが正しいと思うよ!」
そう真っ直ぐと言い切った緑谷くんに、私は賛成の意を込めて頷く。
「あ!良いんじゃね!飯田食堂で超活躍してたし!緑谷でも別に良いけどさ!」
「非常口の標識みてぇになってたよなぁ」
『どっちかと言えば超回転してたよね』
あの時の飯田くんを思い返すと笑みが溢れる。
いや、笑い事じゃないんだけどさ。
「何でもいいから早く進めろ…時間が勿体無い」
「ひっ!」
相澤先生の少し苛立ちを含んだ声に緑谷くんは肩を震わせる。
「委員長の指名ならば仕方あるまい!」
「任せたぜ、非常口!」
「非常口飯田!しっかりやれよー!」
最終的に委員長は飯田くん、副委員長は変わらずヤオモモで決定した。
「私の立場は…!?」
よし、後でヤオモモを慰めに行こう。
「(そーいやさっき、緊急時とは言え、カフェと身体密着してたな…や、柔らかかった…いいにおいした…あれが女子…ッ!!)」
「何変な顔してんだ上鳴?」
「ゲッ…切島!」