22
name change
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
それからどれくらいの時間が経っただろうか。
『うぉえぇえっ…もう無理…』
揺られ続けて15分、20分くらいだろうか…?
もしかするともっと短いかもしれない。
けれど、そろそろ本気で吐きそうだ。
むしろここまで耐えたことを褒めて欲しい。
私は地面に蹲った。
「お…俺達もそろそろ…」
「限界…うっぷ…」
「おぇえええ…」
私達はみんな揃って戦意喪失していた。
平気な人は数人しか残っていない。
『(うぅ、キモチワルイ…)』
なんて思っていると、突然。
ピタッ…
「「『…!?』」」
うねりが止まったのだ。
『と、止まった…?何で…』
「分からない…それにしても急だな…」
散々揉みくちゃにされて動けない私達を相手にするより、他のヒーロー達を足止めするべくどこかへ向かったのか…
もしくは、エリちゃんの元へ向かったか。
もしそうなら、少しでも早くみんなの所へ行かないと。
『早く行かなきゃ…!妨害が無くなった今、ここに留まる必要はっ…』
蹲っていた私はゆらりと立ち上がる。
が、長時間揺られ続けて平衡感覚が失われているせいか、足元がおぼつかない。
まだ路がうねっている感じがする…気持ち悪い。
でも、行かなきゃ。
『…』
壁を伝って進もうとする私を、最初に回復させた警察官の人が支えてくれた。
「待って。そんな状態ではまともに歩けないだろ?」
『でも!こうしている間にもエリちゃんが…』
「こんなフラフラの状態で行ったって満足に動けないだろう」
『う…』
ごもっともなことを言われ、私は言葉に詰まった。
そんな私を見て警察官の人は苦笑する。
「少しだけ休憩しよう…せめて歩けるようになるまで」
「我々もまだ歩けないんだ、はは…」
確かに、今この状態では何も出来ない…。
『………はい…』
私は壁に背中を預け、目を閉じた。
ふと瞼の裏に浮かぶのは、先程分断されたヒーロー達。
『(…切島くん…みんな…)』
私はほぼ無意識に自分の胸元に手を遣った。
切島くんに貰ったネックレスが、私の胸元で輝いている。
『…』
…なんだか胸騒ぎがする。
初めての校外活動の時の嫌な予感に似ている気がするけれど、なんかもっと、こう…
不穏な感じの…。
『(…うぅん、大丈夫…大丈夫だ…!)』
私は自分を無理矢理納得させる。
思考までネガティブになっちゃダメだ。
『みなさん、そろそろ行きましょう…!』
「おう!」
「行くか!」
私が立ち上がるのに続いて、警察官の方々も立ち上がった。