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「イレイザー消せへんのか!?」
「本体が見えないとどうにも…」
「道を作り変えられ続けたら…目的地まで辿り着けない…その間に向こうはいくらでも逃げ道を用意出来る…即座にこの対応、判断…ああダメだ…もう…」
僅かに天喰先輩の震え声が聞こえてくる。
『…』
私はゆっくりと目を開いた。
「女の子を救い出すどころか俺達もー…!」
「環!!」
ミリオ先輩が天喰先輩の名を呼び、彼はハッとする。
「そうはならないしお前は!サンイーターだ!!」
「ー…!」
「そして!こんなのはその場凌ぎ!どれだけ道を歪めようとも目的の方向さえ分かっていれば"俺は"行ける!!」
一歩前に踏み出したミリオ先輩。
「ルミリオン!」
「先輩!」
サー・ナイトアイと緑谷くんがミリオ先輩を呼ぶ。
「スピード勝負、奴等も分かっているからこその時間稼ぎでしょう!先に向かってます!」
「ミリオ…!」
ミリオ先輩は壁の奥へと、一人進んで行った。
それを見届けた次の瞬間…
グワン
「「『!』」」
地面が変形した。
目の前に大きな穴が空いたような感じだ。
ヒーローと警察官、天喰先輩、そして緑谷くんと…切島くんが、落ちて行く。
地下に吸い込まれていくかのように落ちて行く。
私の目の前で、みんなが…。
『みんな!!』
「モカ…!!」
落下しながらもこちらを振り返る切島くん。
『切しっ…』
ゴゥン!
彼と目が合う前に、また地面が音を立てて変形した。
地面の穴が塞がったのだ。
『!…閉じられた!?』
変形した地面は完全にその路を絶ってしまった…。
『う…そ…』
思わずぽかんとしてしまう。
私の後ろに居るのは唖然とした様子の警察官が十数人ほど。
ヒーローは居ない。
「何だ今の!?」
「分断された…!」
『(やばい…!!)』
背筋が寒くなる感覚がする。
敵地で戦力の分断…
しかも主戦力のみんなが地下階へ落とされた…!
ここに居るのは私と警察官の方々だけ…。
『(今ここにヤクザ達が現れたら…!?)』
思わず私は"最悪"を想像した。
…が、頭をブンブンと横に振ってそれを掻き消す。
『(…どんな時も冷静に…!考えろ…考えろ、私…!)』
すると、私の思考を遮るように空間がうねうねとうねり始めた。
まただ、うぅ…気持ち悪い…!
「地面が動き始めた!」
「ヒーロー達が下の階へ落とされたぞ!」
グニャグニャと蠢く空間の中、私は目を閉じて必死に思考を巡らせた。
『(そうだ!さっきの隠し通路の入口の方へ戻れば、バブルガールやセンチピーダーが…!)』
バッと来た路を振り返る。
『…』
そこにもう路(みち)は無かった。
みんなと分断された今も、この地下通路はうねり続けている。
「また道が変形し始めたぞ!」
「くっそ!どうする!?」
「進むしかないだろ!」
『うぅぅ、気持ち悪い~~~…!』
私の"個性"ではこの酔いそうな感覚は消せない。
耐えるか逃げるかしかないのだ。