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「もうすぐだ急ぐぞ!」
サー・ナイトアイに続いて階段を降りる。
しかし…
「!」
「行き止まりじゃねぇか!」
そこには壁しか無かった。
「道、合ってんだよな!?」
「説明しろナイトアイ!」
「俺、見て来ます!」
サー・ナイトアイの方を振り返るヒーローの隣で、ミリオ先輩が壁に向かって進んで行く。
『そっか、先輩の"透過"なら…!』
あれ、でも確か先輩、"個性"の調整が難しいとか何とかで…
マッパになっちゃうんじゃ…!?
切島くんも同じことを考えたのか、焦ったように口を開いた。
「ルミリオン先輩待って!またマッパに…」
「ミリオの戦闘服は奴の毛髪から作られた特殊な繊維だ、発動に呼応し透過するよう出来ている。大丈夫」
『なるほど…!』
天喰先輩が説明してくれて安心した。
その間にミリオ先輩は壁の奥へと進んで行き、また戻って来た。
「壁で塞いであるだけです!ただかなり厚い壁です!」
「治崎の"分解"して"治す"ならこういうことも可能か」
「小細工を…」
言いながらファットガムとロックロックが構えのポーズを取るが、それよりも早く…
「来られたら困るって言ってるようなもんだ!」
「そだな!妨害出来てるつもりなら…めでてーな!」
緑谷くんと切島くんが"個性"を発動した。
「ワン・フォー・オール フルカウル シュートスタイル!!」
「烈怒頑斗裂屠!!」
大きな音を立てて壁が崩れる。
それを見てヒーロー達も感心しているようだった。
「進みましょう…」
壊れた厚い壁の先に進む。
すると…
『…!?』
一瞬、視界がぐにゃりと歪んだ気がした。
「!道が…」
「待てこれは…!」
そう思ったのは私だけではないようで。
『道がうねって…変わっていく…!?』
目の前にはぐにゃぐにゃと道を変え続ける空間が広がっていた。
これじゃあ先に進めない。
変形しているということは経路も変わるということだ。
「治崎じゃねぇ…逸脱してる!考えられるとしたら…本部長"入中"!」
「しかし規模が大き過ぎるぞ!ヤツが"入り""操れる"のはせいぜい冷蔵庫ほどの大きさまでと…」
「かなーりキツめにブーストさせれば、無い話じゃァないか…」
『キツめにブースト…まさか、"クスリ"を…!?』
呟いた私に、ファットガムはコクリと頷いた。
でも…いくら凄い"クスリ"を使ったと言えど、普段冷蔵庫ほどの大きさの物にしか入れない人が、"地下"に化けるだなんて…
そんなことが出来るのだろうか。
実際目の前で変形しているから出来るんだろうけれど…。
「モノに入り自由自在に操れる"個性"…!"擬態"!地下を形成するコンクリに入り込んで"生き迷宮"となってるんだ…!」
『うぉえ、なんか気持ち悪っ…』
ズズズと形を変え続ける地下通路に、段々気分が悪くなってくる。
酔いそうな感覚だ。
「モカ、大丈夫か?少し休んでろよ!」
切島くんが私の背中を軽く擦りながら心配してくれる。
『大丈夫…』
「この状況じゃ前にも進めねェし、少し下がっとけ。目ェ閉じてるだけでだいぶ変わるかもしんねぇぜ!」
『…ん、そうだよね…ありがと…!』
こんなところでみんなに心配掛けて、足手まといになる訳にはいかない。
切島くんの言う通り、私は団体の少し後ろに下がる。
そしてゆっくりと目を閉じた。
こうしていれば少しはマシだ。