21
name change
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
死穢八斎會 若頭治崎の娘"エリちゃん"を保護することが目的。
だが…ここで問題が発生する。
エリちゃんの居場所だ。
「問題はそこです。何をどこまで計画しているのか不透明な以上、一度で確実に叩かねば反撃のチャンスを与えかねない…そこで、八斎會と接点のある組織・グループ及び八斎會の持つ土地!可能な限り洗い出しリストアップしました!」
サー・ナイトアイの後ろのモニターに地図がパッと映し出された。
「皆さんには各自その箇所を探って頂き、拠点となり得るポイントを絞ってもらいたい!」
「なるほど、それで俺等のようなマイナーヒーローが…。見ろ、ここに居るヒーローの活動地区とリストがリンクしてる!土地勘のあるヒーローが選ばれてんだ」
「オールマイトの元相棒(サイドキック)な割に随分慎重やな、回りくどいわ!こうしてる間にもエリちゃんいう子泣いてるかもしれへんのやぞ!!」
「我々はオールマイトにはなれない!だからこそ分析と予測を重ね、救けられる可能性を100%に近付けなければ!」
その後はプロヒーロー達が、サー・ナイトアイの"個性"を使うやら使わないやらの話で言い争っていた。
結局は使わない方向で行くみたいだけれど…
「とりあえずやりましょう。"困ってる子が居る"、これが最も重要よ」
「娘の居場所の特定・保護…可能な限り確度を高め早期解決を目指します」
サー・ナイトアイは席を立ち、私達を見て言い放った。
「ご協力よろしくお願いします」
『…』
その言葉は今までに言われた中で、一番重みを感じる"よろしく"だった。
***
会議が終わった今…
私達生徒8名は事務所のロビーで座り話し込んでいた。
ミリオ先輩と緑谷くんが校外活動をしていた日。
偶然エリちゃんと治崎に遭ったこと…
理由はどうあれ、目の前で苦しむエリちゃんの手を離してしまったこと…
緑谷くんとミリオ先輩はとても悔しい思いをしていたそうだ。
『そっか、そんなことが…』
「悔しいな…」
「デクくん…」
「…」
何とも言えない暗い雰囲気が辺りを包んだその時。
チーン!
エレベーターの音がして、みんなでそちらを振り返った。
「…通夜でもしてんのか」
「『先生!』」
扉が開いてやって来たのは相澤先生だった。
「あ、学外ではイレイザーヘッドで通せ。いやァしかし…」
『?』
「今日は君達のインターン中止を提言する予定だったんだがなァ…」
「「『!』」」
「えぇ!?今更なんで!」
私達の気持ちを代表して切島くんが先生に何故かと訴え掛ける。
「連合が関わってくる可能性があると聞かされたろ、話は変わってくる」
『…』
そりゃあ敵連合には…
死柄木弔には、今後二度と会いたくない。
けれど…
『(ここまでの話聞かされて…救けに行けないなんてっ…)』
そんなの…ヒーロー志望にとって、あんまりじゃないか。
「ただなァ緑谷…お前はまだ俺の信頼を取り戻せていないんだよ。ケンカしたしな」
「…」
「残念なことにここで止めたらお前はまた飛び出してしまうと、俺は確信してしまった」
少し呆けたような表情の緑谷くんの前に、相澤先生はしゃがみ込んで彼と目線を合わせた。
「俺が見ておく。するなら正規の活躍をしよう、緑谷」
相澤先生の低い声が、辺りに響く。
「分かったか問題児」
続いて先生は緑谷くんの胸元に拳をトン、と突き付けた。
「ミリオ…顔を上げてくれ」
今度は天喰先輩と波動先輩が口を開く。
「ねえ私知ってるの ねえ通形 後悔して落ち込んでてもね仕方無いんだよ!知ってた!?」
「…ああ」
頷いたミリオ先輩はゆっくりと顔を上げた。
「気休めを言う。掴みそこねたその手はエリちゃんにとって必ずしも絶望だったとは限らない…前向いていこう」
「はい!!」
先生の言葉に、緑谷くんは大きな声で返事をした。
このシリアスなタイミングで考えることじゃないかもしれない。
けど、なんか正直…
『イレイザーヘッド超格好良い…!』
「俺…イレイザーヘッドに一生ついていきます!!」
切島くんと私はキラキラと目を輝かせながら相澤先生を見つめた。
「一生はやめてくれ」
「すいァっせん!!」
『切島くん声デカイ…!』
先程までの暗い空気が一瞬で吹き飛んでいったのが分かる。
『(やっぱプロヒーローは凄いなぁ)』
私は素直に感心した。