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数日後、切島くんと私はファットガムに呼び出しをされ、とある場所へと向かっていた。
これは後から気付いたんだけど、緑谷くん、お茶子ちゃん、梅雨ちゃんも同じ場所に収集されたらしい。
更に"ビッグ3"のミリオ先輩、波動先輩、天喰先輩もいらっしゃる。
「「『何だ!?』」」
集合場所…サー・ナイトアイ事務所の大会議室には大勢のプロヒーロー達が既に集まっていた。
『あ、ファットガムだ!おーい!』
「おぉ、来たか!」
ファットガムに手を振ると彼も振り返してくれた。
可愛い、なんだか癒やされる。
「グラントリノ!?それに…相澤先生!?」
『え、先生も居るの?』
緑谷くんに教えてもらった先に居たのは間違い無く相澤先生だった。
「こんなに大勢…凄いぞ…!一体何を…」
『なんだろーね?』
「な!」
切島くんと私は顔を傾げた。
するとそのタイミングで、一人のサラリーマンのような男性が話し始めた。
「あなた方に提供して頂いた情報のおかげで調査が大幅に進みました。死穢八斎會という小さな組織が何を企んでいるのか…知り得た情報の共有と共に協議を行わせて頂きます。順を追って話します」
シエハッサイカイ?
何だろう、全く聞き覚えの無い固有名詞に私は少し戸惑った。
「俺、置いてけぼりなんスけど…ハッサイ?何スか?モカ分かるか?」
『んーや、私もさっぱり…』
「悪いこと考えとるかもしれんからみんなで煮詰めましょのお時間や。お前等も充分関係してくるで」
「…」
天喰先輩は自身の左腕に目を落としていた。
…この前の校外活動で、薬物の違法売買をしていた犯罪者に何らかの弾を撃たれた箇所だ。
「えーそれでは始めてまいります」
会議の話を出来るだけ簡単にまとめるとこうだ。
死穢八斎會というのは指定敵団体のこと。
ナイトアイ事務所が調べたところ、死穢八斎會は敵連合の分倍河原仁(敵名:トゥワイス)と接触があった。
八斎會は違法薬物を売買することを仕事としていた疑いがある。
そこで、初の校外活動の日に天喰先輩に撃ち込まれた弾が…"個性"を壊す"クスリ"。
基本となる人体に特別な仕組みが+aされたものが"個性"…
その+aがひとくくりに"個性因子"と呼ばれている。
"個性"を壊す"クスリ"を撃たれた天喰先輩は今は治ったと言うけれど、病院で検査を受けるとその"個性因子"が傷付いていたことが判明した。
天喰先輩の身体は他に異常は無くただ"個性"だけが攻撃されていたらしい。
そして何とかその"弾"を調べた結果…"弾"の中には、人の血や細胞が入っていた。
証拠は無いがこの違法薬物を、"その手"の中間売買組織と八斎會が交流したことにより手に入れたと考えられる…
ということ。
「若頭治崎の個性は"オーバーホール"。対象の分解・修復が可能という力です。分解…一度"壊し""治す"個性。そして個性を"破壊"する弾」
「「「…」」」
「治崎には娘が居る…出生届も無く詳細は不明ですが、この二人が遭遇した時は手足に夥(おびただ)しく包帯が巻かれていた」
サー・ナイトアイが"この二人"と言って目線を遣ったのは、ミリオ先輩と緑谷くんだった。
『…っ!』
そこまで理解した瞬間。
正直、吐き気がした。
「まさか…そんなおぞましいこと…」
「超人社会だ、やろうと思えば誰もが何だって出来ちまう」
「何?何の話ッスか…!?」
「…」
私の左隣の席では切島くんが首を傾げており、右隣では天喰先輩が息を呑んでいる。
「やっぱガキはいらねーんじゃねーの?分かれよな…つまり娘の身体を銃弾にして捌いてたんじゃね?ってことだ」
「「「…!!」」」
悪意が…目の前に迫っているのだ。
途方も無い悪意が、すぐそこまで。
「想像しただけで腹ワタ煮えくり返る!今すぐガサ入れじゃ!」
「こいつ等が子供保護してりゃ一発解決だったんじゃねーの!?」
「全て私の責任だ、二人を責めないで頂きたい。知らなかったこととは言え…二人ともその娘を救けようと行動したのです。今この場で一番悔しいのはこの二人です」
ガタッと音がしてそちらを見ると、ミリオ先輩と緑谷くんが立ち上がった。
「今度こそ必ずエリちゃんを…!」
「「保護する!!」」
「それが私達の目的になります」