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「ケンカだぁ!誰かァ!」
「噂をすれば!」
先程までの空気が一変し、ピリッと張り詰めた空気に変わるのが分かる。
声のした方にファットガムが駆け出した。
「一旦バラけるぞ!」
「おう!」
「させへん!!」
逃走犯二名の行き先に回り込んでいたファットガムが自身の身体を張り、通せんぼをする。
「ファットや!あかん沈む…!」
「沈ませ屋さんのファットさんや」
彼の"個性"は"脂肪吸着"。
彼の身体は何でも吸着し沈められるのだそうだ。
そんなファットガムが逃走犯二人を捕獲した…かと思えば。
「って何や、エッジと"個性"被っとるでお前!」
プロヒーロー エッジショットと同じように、逃走犯一名がファットガムの身体をすり抜けた。
しかしその先に居たのは、サンイーターこと天喰先輩。
そして間入れず、天喰先輩の手からタコの足のようなものが飛び出した。
「!?何じゃこのタコォー!?」
「酷い言い方を…!」
「違うよ先輩見た目の話!悪口じゃないっス!」
ショックを受けながらも先輩はタコの足を相手の身体に巻き付け、縛り上げる。
そして…
FAKOOM!!
『ぶった…!?』
「タコやないんかい…ワレ…」
ぶたれた相手はドサッとその場に倒れ込んだ。
そんな相手を天喰先輩は踏み付ける。
「アサリは便利なんだ…攻防に長ける…だから毎日食べるようにしているんだ」
天喰先輩の"個性"は"再現"。
喰らった物の特徴をその身体に再現出来るらしい。
『凄い…!』
片手にはタコ、片手にはアサリ、足と背は鶏…と言った具合に、天喰先輩の身体はそれぞれの特徴を再現している。
「上手く…出来ていただろうか…」
「すげーっス!迅速で"個性"の使い方も慣れてて…」
『判断力に長けてる…!』
切島くんと私は顔を見合わせる。
「技量ならとうにプロ以上やで、ウチのサンイーターは!メンタルは育たんけど!」
ファットガムの声に、周りに居る人達から拍手と歓声が飛び交う。
『(これが"雄英ビッグ3"たる所以…やっぱり凄いなぁ…!)』
先輩に向けて拍手をしようとした、その瞬間。
「あかん!!伏せっ…」
「っ!」
『え…』
ファットガムの大声が辺りに響いたかと思うと、私の隣に立っていた天喰先輩がグラついた。
天喰先輩の左腕に何かが…
"刺さった"…?
『天喰先輩!!』
倒れ込む天喰先輩の身体を、私はしゃがみ込んで抱く。
『(人混みに紛れて攻撃された!飛び道具か…!?天喰先輩の左腕がやられた!)』
「アニキ逃げろォ!!」
聞き覚えの無い男の声が、人混みの中から聞こえて顔を上げる。
すると頭のすぐ真上で、カィン!と音がした。
今のは間違い無く…
『(銃 声 だ)』
しゃがみ込む私の真横には切島くんが立っている。
『(切島くんが…撃た、れ…?)』
私は恐る恐る顔を上げる。
「サンイーター!キュアヒール!レッドライオット!!」
切島くんは…
「弾けた!?」
「捕えます!!」
硬化して、弾丸を弾いていたようだった。