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切島くんの声が体育館内に響いた瞬間。
ハラリとミリオ先輩のジャージが、地に落ちた。
「『あーーー!!』」
響香ちゃんと私は絶叫する。
「今 服が"落ちた"ぞ!」
「あぁ失礼!調整が難しくてね!」
いそいそとジャージを履くミリオ先輩に、緑谷くんが飛び出した。
そしてミリオ先輩の顔面に蹴りを一発キメたかと思えば…
「ー…!!」
『すり抜けた!?』
緑谷くんの攻撃はミリオ先輩をすり抜けてしまった。
「顔面かよ」
フゥとひと息ついたミリオ先輩に、今度は青山くん、瀬呂くん、三奈ちゃんが攻撃を仕掛ける。
『(遠距離組の攻撃!これは有利だ…!)』
と思ったのも束の間。
「居ないぞ!?」
「まずは遠距離持ちだよね!」
「!」
『響香ちゃん!!』
ミリオ先輩はいつの間にか響香ちゃんの真後ろにワープしていた。
「ワープした!」
「すり抜けるだけじゃねぇのか!?どんな強個性だよ!」
私達近接隊が振り返っている間に、ミリオ先輩は次々と遠距離組に攻撃を仕掛ける。
「お前等良い機会だ、しっかり揉んでもらえ!その人…」
遠くから相澤先生の声が聞こえる。
「通形ミリオは俺の知る限り最もNo.1に近い男だぞ」
「POWERRRRR!!!」
「…プロも含めてな」
気付けば、遠距離組は全員床に伏せていた。
「ケホッ」
「…っ」
『みんな…!』
みんなは動けないようだ。
「後は近接主体ばかりだよね」
スッとこちらへ歩いて来るミリオ先輩に気を引き締める。
「何したのかさっぱり分かんねぇ!」
「すり抜けるだけでも強ェのに…ワープとか…!それってもう…」
「無敵じゃないすか!!」
「よせやい!」
ビシッとポーズを決めるミリオ先輩。
そんな先輩を見て緑谷くんが声を上げた。
「何かからくりがあると思うよ!"すり抜け"の応用でワープしてるのか"ワープ"の応用ですり抜けてるのか、どちらにしろ直接攻撃されてる訳だからカウンター狙いでいけばこっちも触れられる時があるはず…!何してるか分かんないなら、分かってる範囲から仮説を立てて、とにかく勝ち筋を探っていこう!」
緑谷くんはブツブツと呟いた。
『ん…そだね!』
「おぉ、サンキュー!謹慎明け緑谷スゲー良い!」
気合い充分な緑谷くんを見て、私は思わず笑みが溢れた。
『緑谷くんの言う通り…とりあえず、今は探っていくしか…ない!』
「探ってみなよ!」
ミリオ先輩はこちらに向かってダッと駆け出した。
…かと思えば…
「!」
『"沈んだ"…!?』
ミリオ先輩の姿が見えなくなり、今度は緑谷くんの背後に現れる。
緑谷くんは間入れず、ミリオ先輩に攻撃を仕掛けた。
「(反応じゃない…俺がここに現れるのを予測した!?)だが必殺!!」
「うっ!?」
「ブラインドタッチ目潰し!!」
ミリオ先輩が緑谷くんの目を…突いた…?
「ほとんどがそうやってカウンターを画策するよね」
次に緑谷くんの鳩尾(みぞおち)辺りに拳を入れる。
「ならば当然そいつを狩る訓練!するさ!」
「緑谷くん!?」
今度はミリオ先輩が飯田くんの後ろに現れた。
そして緑谷くん同様、鳩尾にパンチを食らわせる。
お茶子ちゃん、尾白くん、切島くん…
そして、物凄い速さでミリオ先輩は私の目の前にやって来た。
『(ヤバッ避けらんなっ…)』
「POWER!!!」
考え終わる前に、鳩尾に一発。
身体中に衝撃が走るのと同時に、私はその場へと倒れ込んだ。