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さて、私達1-Aのみんなとビッグ3の先輩方は体育館γ(ガンマ)にやって来た。
「あの…マジすか」
「マジだよね!」
引き攣った笑いを見せる瀬呂くんに、先程ミリオと呼ばれた先輩は笑った。
轟くんは相澤先生の隣に立っており、戦いには混ざらないらしい。
「あ!そうだ!ねぇねぇカフェさん」
『(嫌な予感!)』
後ろから声を掛けられ、振り返るとそこには笑顔の素敵な波動先輩が居た。
あぁ可愛…じゃなくて!
『(ここはさり気なく逃げっ…)』
「ねぇねぇカフェさんは切島くんと付き合ってるの?付き合ってないの?誰がどう見ても二人とも好き同士だよね?ね?何でお互いに好きなのに付き合わないの?ねぇねぇ教えて知りたいの!」
「『…』」
波動先輩の質問攻めに、切島くんと私は何も言えずに居た。
『(ここまでハッキリ言われちゃうと非常~~~に気まずい…!)』
仮免取得試験前日の夜…
確かに、切島くんは想いを伝えてくれようとしてた。
でも私が…それを遮って死柄木弔の話をしようとして…
結果的には伝えらんなくて…
「ねぇ教えて!どうして「まぁまぁ先輩!」」
突然聞こえた声に顔を上げると、上鳴くんと瀬呂くんが波動先輩に話し掛けているところだった。
「そいつ等より、俺等のことの方が気になりません?」
「今度の休み、一緒にメシどっすか?」
『(ふ…二人共ぉぉおおお!!)』
「(お…お前等ぁぁあああ!!)」
明らかに話を逸してくれた二人に感激した。
ノリがチャラいけど。
切島くんも何か言いたげに二人を見ている。
瀬呂くんは後ろ手でこちらに親指を立てており、上鳴くんはこちらにウインクして見せた。
格好良過ぎか…!
「ミリオ…辞めた方が良い…形式的に"こういう具合でとても有意義です"と語るだけで充分だ」
「『遠っ』」
壁に頭を付けて話す天喰先輩を峰田くんと私は見遣る。
「みんながみんな上昇志向に満ち満ちている訳じゃない…立ち直れなくなる子が出ては…いけない」
『!』
天喰先輩の言葉の意味が分からないほど、私はボケてない。
私達が何を言うより先に波動先輩が口を開いた。
「あ、聞いて、知ってる!昔挫折しちゃってヒーロー諦めちゃって問題起こしちゃった子が居たんだよ知ってた!?大変だよねぇ通形!ちゃんと考えないと辛いよ、これは辛いよー」
三奈ちゃんの角をイジりながら波動先輩はそう言った。
『…言いたい放題ですねぇ』
私の言葉に、常闇くんと切島くんが頷く。
常闇くんは先輩方に向かって開口した。
「待ってください…我々はハンデ有りとはいえプロとも戦っている!」
「そして敵との戦いも経験しています!そんな心配されるほど、俺等ザコに見えますか…?」
切島くんも…歯を見せて笑ってはいるけれど、目が笑っていない。
私と同じようなことを思っているのだろう。
「うん、いつどっから来てもいいよね。一番手は誰だ!?」
聞いているのか聞いていないのか、ミリオ先輩は私達をぐるりと見渡した。
「おれ「僕…行きます!」」
名乗りを上げようとした切島くんの前に出たのは緑谷くんだった。
「意外な緑谷!」
若干目に涙を浮かべている切島くんの背中を撫で、私はまぁまぁと彼を宥める。
『(…にしても、緑谷くん気合い入ってんなぁ~)』
「問題児!良いね君、やっぱり元気があるなぁ!」
緑谷くんはググッと身体を伸ばした後、"個性"を発動した。
緑色の電光のようなものが彼の身体を纏う。
「近接隊は一斉に囲んだろうぜ!」
『うん!』
砂藤くんの声に、私も構える。
『(一旦は体術で迎え撃つ…!)』
「よっしゃ先輩!そいじゃあご指導ぉー…」
今度は切島くんの声に合わせ、私達1-Aクラスメイト達は"個性"を発動した。
「よろしくお願いしまーっす!!」