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天喰先輩のあの感じには見覚えがある。
数日前ランニング中に見掛けた天喰先輩に話し掛けようとしたら、やたらと拒否されたんだった。
『(何ていうか…人見知り拗らせた感じ…?)』
「雄英…ヒーロー科のトップ…ですよね…」
尾白くんが追い打ちかけてる!
まさか過ぎてびっくりした。
「…」
天喰先輩は何も答えない。
その代わりに…
「あ、聞いて天喰くん!そういうのノミの心臓って言うんだって!ね!人間なのにね!不思議!」
更なる追い打ち!
凄いなこの人。
尾白くんの後に"ノミの心臓"て。
徹底的に天喰先輩のメンタルブッ壊しにかかってない?
「彼は"天喰環"。それで私が"波動ねじれ"。今日は校外活動についてみんなにお話して欲しいと頼まれて来ました」
『(可愛い…)』
波動先輩は美人で、今度こそしっかり説明してくれた。
『(なんだぁ…波動先輩、一瞬ヤバい人かと思っ…)』
「けどしかしねぇねぇところで君は何でマスクを?風邪?オシャレ?」
「!…これは昔に…」
「あらあと貴方轟くんだよね!?ね!?何でそんなところを火傷したの!?」
「…!?それは…」
ヤバい人だった…!
いや、障子くんのマスクはともかく、轟くんの火傷については…!
気になるっちゃ気になるところだけど…そんなストレートに聞くもんじゃ…
「芦戸さんはその角折れちゃったら生えてくる?動くの!?ね?峰田くんのボールみたいなのは髪の毛?散髪はどうやるの!?蛙吹さんはアマガエル?ヒキガエルじゃないよね?どの子もみんな気になるところばかり!不思議」
「天然っぽーい、かわいー」
「幼稚園児みたいだ」
上鳴くんは波動先輩を見て微笑んでおり、三奈ちゃんは苦笑している。
「オイラの玉が気になるってちょっとー!?セクハラですって先パハァイ!!」
「『違うよ』」
瀬呂くんと私は声を揃えて峰田くんに突っ込んだ。
ヤオモモはドン引きしているようだが、私は峰田くんに笑ってしまった。
「ねぇねぇ尾白くんは尻尾で身体を支えられる?ねぇねぇ答えて気になるの」
「…合理性に欠くね?」
圧を含んだ相澤先生の声に、ビッグ3の最後の一人がフォローを入れる。
「イレイザーヘッド安心してください!大トリは俺なんだよね!」
いくら先輩でも相澤先生の凄みには敵わないらしく、先輩はわたわたと慌てている。
「前途ー!?」
「「『(ゼント…?)』」」
ゼントって何だ…?
私以外のみんなも困惑しているのか、教室内はシーンと静まり返ってしまった。
「多難ー!っつってね!よォしツカミは大失敗だ!ハッハッハッハ!」
大きく笑い声を上げる先輩。
『…うーん…?』
なんか"ビッグ3"の人達って…変わってるなぁ…?
「…三人とも変だよな」
「ビッグ3という割には…なんかさ…」
「風格が感じられん…」
私以下のみんなも何やらヒソヒソと話している。
「まァ何が何やらって顔してるよね。必修て訳でもない校外活動の説明に突如現れた三年生だ…そりゃ訳も無いよね」
急に真面目な顔付きになる先輩に、私は姿勢を正した。
「一年から仮免取得…だよね、フム…今年の一年生って凄く…元気があるよね…」
『…』
「そうだねェ…何やらスベり倒してしまったようだし…」
「ミリオ!?」
「君達まとめて俺と戦ってみようよ!!」
『え…』
ミリオと呼ばれた先輩はハハハと笑いながらそう言ってみせた。
「「『えぇーーー!?』」」
私達はみんな揃って驚きの声を上げる。
「俺達の"経験"をその身で経験した方が合理的でしょう!?どうでしょうねイレイザーヘッド!」
「…好きにしな」
相澤先生のその言葉は"OK"という意味なんだろう。
突然ながら…私達は先輩と戦うことになったのだった。