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所変わって、ここは寮の外。
辺りは木が生えており、外からは私達の様子は見えにくくなっている…と思う。
あんまりみんなにジロジロ見られながらやるのもちょっと、ね。
「っし!やるか!」
『そーだねぇ、とりあえず…』
私達は軽く屈伸したり腕をならす。
『一旦、今までと同じ感じで相手してよ!』
手加減アリのままで。
心の中で言いながら私は構えの体勢をとった。
そんな私に頷き、切島くんも構える。
「いっちょやってみっか!」
『んじゃ…よーい、』
私達は同時に踏み込んだ。
「『スタート!!』」
中学時代から既に本気じゃなかった切島くんに、今からいきなり本気を出してもらうのは難しい。
だとしたら、少しずつでも切島くんが本気を出さざるを得ない状況を作っていかないとだ。
『(パワーじゃ勝ち目はない。だったら…小細工するしかない!)』
踏み込んで腕を振りかぶってきた切島くんに、私は伏せてそれを躱した。
そしてそんな私に更に追撃すべく、切島くんはパンチを連続で繰り出してくる。
『(ちょっとずつ…避けて、避けて…)』
「避けてばっかだとォ…練習になんねー、ぞっ!」
『い゙っ!』
ゴォッと勢い良く振りかぶられた拳を、私はモロに肩に喰らった。
『(切島くん…速くなってる…!)』
じんじんと肩が痛むけれど、私は切島くんを見据える。
『(やっぱ凄いな…こっちはちょっとでも頭使わないと…勝てない!)』
「フンッ!」
更に追い込んで来る切島くんの攻撃を何とか躱し続ける。
そして…
『らぁっ!』
「ふふん、ンなの喰らわね…ぅおっ!?」
徐々に切島くんを隅の方に追い込むことに成功した私が繰り出したパンチを切島くんが避けた。
そんな切島くんが避けた先にあったのは、木。
『…ふっ!』
「ぐっ!」
私は切島くんのお腹にパンチを決め込んだ。
「やるなァモカ!でもまぁ…硬化の俺にゃ効かねーけどな!!」
いつの間にか硬化していた切島くんがニヤリと笑い、またこちらへと駆け出して来た。
『(本気で相手されなくても良いや。今はこれで…)』
少しずつ、私のペースで強くなっていければ。
「オラァァア!!」
『らぁあぁあ!!』
私達は汗だくになりながら、長い時間拳を振るいあった。