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始業式は滞りなく行われた。
生活指導の先生や他の先生が話をする。
中でも、校長先生の話は身が引き締まる思いだった。
『…』
校長先生のお話をまとめるとこうだ。
この夏休みで起きた事件により生活習慣が乱れた。
柱の喪失の予感…あの事件の影響は予想をゆっくりとでありながらも現れ始めている。
特にヒーロー科にとっては、これからも社会には大きな困難が待ち受けているだろう。
2・3年生の多くが取りくんでいる〝校外活動(ヒーローインターン)〟もこれまで以上に危機意識を持って考える必要がある。
経営科も普通科もサポート科もヒーロー科も皆、社会の後継者であることを忘れないでくれ。
と。
『("柱の喪失"…よくない輩が出て来ないと良いけど…)』
そんなに上手く行く話、無いよね。
むしろ敵側からすれば、オールマイトが膝をついたこの瞬間が狙い時なんだから…。
『(強くならなきゃ)』
私は拳を握り締めた。
***
「じゃあまァ…今日から通常通り授業を続けていく」
始業式が終わり、今はホームルームの時間だ。
みんなの前に相澤先生が立っている。
「かつてないほどに色々あったが、上手く切り替えて学生の本分を全うするように。今日は座学のみだが後期はより厳しい訓練になっていくからな…何だ、芦戸?」
「ヒッ、久々の感覚!」
ヒソヒソと話をしていた三奈ちゃんが相澤先生に注意されている。
「ごめんなさい、いいかしら先生」
そんな中、梅雨ちゃんが挙手をした。
「さっき始業式でお話に出てた"校外活動(ヒーローインターン)"ってどういうものか聞かせてもらえないかしら?」
「そういや校長が何か言ってたな」
「俺も気になっていた」
「先輩方の多くが取り組んでいらっしゃるとか…」
そうそう、梅雨ちゃんの言葉を聞いて思い出した。
私も校外活動って何なのか、気になってたんだよね。
「それについては後日やるつもりだったが…そうだな、先に言っておく方が合理的か…」
相澤先生は少し考える素振りを見せ、また口を開いた。
「平たく言うと"校外でのヒーロー活動"。以前行ったプロヒーローの元での職場体験…その本格版だ」
「はぁ~そんな制度あるのか…」
お茶子ちゃんが感心しながら呟いた。
…かと思えば。
「体育祭での頑張りは何だったんですか!?」
お茶子ちゃんは勢い良く立ち上がり挙手をした。
「確かに…!インターンがあるなら体育祭でスカウトを頂かなくても道が拓けるか」
「まー落ち着けよ、うららかじゃねェぞ…?」
「しかしぃ!」
砂藤くんがお茶子ちゃんを宥めている。
「校外活動(ヒーローインターン)は、体育祭で得た指名(スカウト)をコネクションとして使うんだ。これは授業の一環ではなく、生徒の任意で行う活動だ。むしろ体育祭で指名を頂けなかった者は活動自体難しいんだよ…元々は各事務所が募集する形だったが、雄英生徒引き入れの為にイザコザが多発し、このような形になったそうだ。分かったら座れ」
「早とちりしてすみませんでした…」
お茶子ちゃんは大人しく着席する。
「仮免を取得したことで、より本格的・長期的に活動へ加担出来る。ただ、一年生での仮免取得はあまり例が無いこと、敵の活性化も相まってお前等の参加は慎重に考えてるのが現状だ。まァ体験談等も含め、後日ちゃんとした説明と今後の方針を話す。こっちも都合があるんでな…じゃ、待たせて悪かった、マイク」
相澤先生が話し終えると同時に、ガラッと教室のドアが開いた。
そして入って来たのはプレゼント・マイク先生。
「一限は英語だー!すなわち俺の時間!久々登場 俺の壇上 待ったかブラ!今日は詰めていくぜー!アガッてけー!イェァア!!」
「「『はーい』」」
私は机の中から教科書を取り出した。