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緑谷くん走るの速いな…流石男の子だ…!
"かっちゃん"しか頭にない緑谷くんにぐんぐんと引き離されながらも必死に追い掛けた。
『はぁ、はぁ…っ、ふぅ…!』
下足箱の出入り口辺りで私は足を止め、息を整える。
校門付近で爆豪くんと緑谷くんが何やら言い合いをしている様子が確認出来た。
「…おい、」
『ギャァんむっ!?』
突然背後から声を掛けられ、驚いた拍子に声を上げそうになるも、大きな手によって口を塞がれる。
「しーっ!アイツ等今良いとこなんだからよ!」
『(切島くん…!)』
パッと手を離され、切島くんは私の後ろからひょこっと顔を出し、あの二人の様子を伺っている。
『な、何で切島くんまでここに…』
「お前が飛び出したから着いてきたんだよ」
小声で言えば小声で返される。
『…変なの』
「………けど、僕は…まだまだで…」
緑谷くんが爆豪くんに向かって何か話している。
何を話しているのか、会話内容までは聞こえないけれど。
いや、二人の話だろうし聞く必要は無いんだけど、緑谷くんの姿が見えないのは困る。
また殴り合いとかして、怪我されたらたまったもんじゃない。
それにヒーロー基礎学の授業以降、爆豪くんの様子も気になる。
「…だから…」
ここから見ても分かる…
爆豪くんは非常にイライラしているようだ。
「いつかこの"個性"をちゃんと自分のものにして、僕の力で君を超えるよ!!」
「『…』」
なんかどえらい宣戦布告してますけど…大丈夫かなこれ。
「何だそりゃ…借り物?訳分かんねェこと言って、これ以上コケにしてどうするつもりだ…なぁ…!?」
『…』
「だから何だ!?今日、俺はてめェに負けた…そんだけだろが!そんだけっ…!!」
緑谷くんと違って、爆豪くんの声は大きいからここまでよく聞こえる。
「氷のヤツ見てっ!敵わねぇんじゃって思っちまった…!!」
「…」
「クソ!!ポニーテールのヤツの言うことに…納得しちまった!!」
「…」
『…』
それって講評の時の…。
魂が抜けたように感じてたけど、ちゃんとみんなの評価聞いてたんだ…。
「クソ!!クソが!クッソ!!」
「…」
「なぁ…テメェもだ…!デク!!」
『…』
「こっからだ!俺は…!こっから…!!いいか!?俺はここで一番になってやる!!」
そう言葉を発した時、爆豪くんの目から涙が溢れた。
「俺に勝つなんて二度とねェからな!クソが!!」
そう吐き捨てて去って行く爆豪くんに対して、気の抜けたような緑谷くん。
「居たぁああああ!!爆!豪!少年っ!!」
オールマイトが物凄い勢いで駆けてきて、爆豪くんの肩を掴む。
「『………はぁ〜っ…』」
それを見た切島くんと私はその場で脱力した。
『オールマイトが来てくれたし、後はもう大丈夫そうだね!』
「だな!…じゃあ俺等も帰るか!」
『うん!』
切島くんの言葉に頷いて、荷物を取りに行くために二人で教室へと踵を返す。
「アイツ等アツかったなぁ…!爆豪なんかマジでよぉ…!」
三奈ちゃんとお茶子ちゃんと梅雨ちゃんも教室から先程のやり取りを見ていたということを、この後私達は知ることになる。
(男の因縁ってやつです!)
(私ちょっと泣きそうになったわ…)