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《「えー続きましてプリントをお配りします。採点内容が詳しく記載されていますので、しっかり目を通しておいてください」》
「カフェさん」
『ありがとうございます…!』
「切島くん」
「あざっス!」
目良さんのアナウンスの後に続き、黒いスーツを着た人達が私達にそれぞれプリントを配ってくれる。
「………寄越せや…」
『あ~…はは…』
「そういうんじゃねェからこれ…」
ゆらりとこちらへ手を伸ばしてくる爆豪くんを躱し、切島くんと私は軽く苦笑する。
「上鳴、見してー!」
「ちょっ…待て、まだ俺見てない!」
《「ボーダーラインは50点。減点方式で採点しております。どの行動が何点引かれたか等、下記にズラーッと並んでます」》
「61点、ギリギリ…!」
「俺84!見て、凄くね!?地味に優秀なんだよね俺って~!」
「待って、ヤオモモ94点!?」
「ウフフ…」
「飯田くん、どうだった?」
「80点だ、全体的に応用が効かないという感じだったな…緑谷くんは?」
「僕71点。行動自体って言うより、行動する前の挙動とか、足止まったりする所で減点されてる…」
みんなは自分の点数を曝け出しており、凄いなぁなんて思う。
「凄ェな、カフェも94点!?」
『っ!』
突然掛かった声に、私は肩を揺らした。
「マジ!?ヤベー!スッゲー!」
「モカ、おめでとう!」
いつの間にか私の点数を見ていた瀬呂くんの声に反応し、みんなが凄い凄いと褒めてくれる。
『い、いやほら…私の"個性"は戦闘より救助向きだから、今回はたまたま運が良かっただけで…!』
筆記試験や演習試験では、クラスの中の中くらいの成績の私。
普段の雄英の試験ではあまり高成績を残せていなかったため、今回の試験の結果は嬉しい半面少し気恥ずかしくも感じる。
「なァに謙遜してんだよ」
『うわっ…ちょっ、切島くん…!?』
切島くんにぐしゃぐしゃと髪を掻き乱され、かぁっと頬に熱が集まる。
「こういう時は素直に喜んどけって!」
『!』
ニカニカと笑顔を向けてくれる切島くんに、私は釣られて笑みを溢した。
『…うん…!ほんとはめちゃくちゃ嬉しいっ!』
切島くんに言われた通り、素直に喜びの言葉を口にする。
みんなもだけれど、特に切島くんにはたくさん心配と迷惑を掛けてしまったから。
『(素直に嬉しい…!)』
私は喜びを噛み締めた。
「「「(わぁイイ雰囲気~…)」」」
A組のみんなが、揃って私達を眺めていたとは知らずに。