19
name change
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
目良さんのアナウンスの、あの後。
避難所の方へ敵が出て、それを誰かが抑制してくれたようだ。
誰のものかは分からなかったけれど、遠目でも分かる凄い"個性"だった。
風というか台風というか…
とても広範囲な風の"個性"。
広範囲といえば、同じく避難所の方から氷と炎の"個性"も見えた。
きっと轟くんだ。
轟くんと誰かの"個性"が重なり合い、敵の抑制に成功したのだ。
そして、試験が終了した今。
「…」
『…』
私達100人は集合し、揃ってモニターを見上げている。
…いよいよ、合格発表だ。
『う~…ドキドキする~…』
「大丈夫だ!やれるこたァやったし!」
右隣に立つ切島くんが私の肩を叩く。
「まぁイケんじゃね?なんとかなるって!」
今度は左隣の上鳴くんが、へらりと笑った。
「…」
私の一歩後ろに居る爆豪くんは何も言わずに黙っていた。
《「合格者は後方のモニターに五十音順で名前が表示されます。どうぞご確認ください」》
アナウンスの後にパッと画面が切り替わり、たくさん羅列された名前が目に飛び込んで来る。
「「みみみみみ…!」」
『…』
じーっと目を凝らして見ていると。
私の両隣に立つ切島くんと上鳴くんの両肩を押し退け、
「ばッ!!」
爆豪くんが私の頭上で叫んだ。
『(爆豪くんが近い!!必死なのか分かんないけど、やたらカッタい胸筋が当たってるんですけど…!?)』
後ろからグイグイと押され、必死な様子の爆豪くんに苦笑する。
でも今はとりあえず、自分の名前を捜さなきゃ…!
「峰田実!あったぜ!」
「あったァ…!」
「あるぞ!」
「よし…!」
「麗日ァ!」
「コエー…」
「フッ」
「良かった…」
「メルスィ!」
「あったぜ!」
「わぁー!」
「…!」
「点滴穿石ですわ」
「ケロッ」
「やったぁ~!」
「っしェ~い!」
『ほっ…』
私は自分の名前を見つけて、ほっと安堵の溜め息をついた。
なんとか、合格だ…!!
「あった…けど…」
切島くんの声に釣られて、ちらりと後方を見る。
「………ねェ!!」
「…」
爆豪くんと轟くんの名前が、無かったのだ。
『(そんな…2トップの二人が…)』
にわかに信じられずにいると、
「轟!」
士傑の一年生…
夜嵐くんがやって来た。
そして物凄い勢いで頭を下げた。
「ごめん!!アンタが合格逃したのは俺のせいだ!俺の心の狭さだ!ごめん!!」
「…元々俺が蒔いた種だし…よせよ」
「けど…」
「お前が直球でぶつけてきて、気付けたこともあるから」
そのやり取りを見て、A組のみんなは驚きを隠せずに居た。
「轟…落ちたの?」
「ウチの2トップが両方落ちてんのかよ!」
流石に、全員受かる程甘い訳無いか…。
『(でも…轟くん、爆豪くん…)』
「暴言改めよ?言葉って大事よ?お肉先パイも言ってたしさ!」
「黙ってろ殺すぞ…!!」
「…!」
呑気にウインクを飛ばした上鳴くんは、鬼のような形相をした爆豪くんを見て、恐怖のあまり石化していた。
「両者共トップクラスであるが故に自分本位な部分が仇となったのである…ヒエラルキー崩れたり!」
轟くんの肩に手を置いてニヤニヤする峰田くんを、飯田くんが両頬を挟んで引き剥がした。
「轟くん…」
「轟さん…」
私達A組の間には何とも微妙な空気が流れていた。