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「「「っしゃぁああ!!」」」
切島くんと上鳴くんが飛び上がる。
「雄英全員、一次通っちゃったー!」
「すげぇ、こんなんすげぇよ!」
「ケロ、ケロッ!」
「よかった…!」
「あぁ…!」
私達はみんなで合格を喜び合った。
みんなが浮かれる中、私の傍で何の反応もない爆豪くんが視界に入る。
『爆豪くん!みんな通ったね!?やったねぇ!』
「うるせェ黙れ!当然だろうが!!」
あぁ、本当に素敵なクラスだなぁ。
爆豪くんには怒鳴られたけれど、私は胸が一杯になる。
《「これより、残念ながら脱落してしまった皆さんの撤収に移ります。皆さーん速やかにお引き取りくださいねー!」》
目良さんの少しイキイキしたアナウンスが聞こえてくる。
試験の終わりが近付いて嬉しいんだろうか。
《「えー、一次選考を通過した100人の皆さん、これをご覧ください」》
目良さんのアナウンスを聞いてモニターを見上げる。
「フィールドだ…」
「何だろうね…?」
お茶子ちゃんがそうつぶやいた瞬間、ビルや建物、森や崖が音を立てて崩れ始めた。
「「『(なぜ!?)』」」
「こ、これは…」
《「次の試験でラストになります!皆さんにはこれからこの被災現場で、バイスタンダーとして救助演習を行ってもらいます」》
「「パイスライダー…?」」
目良さんのアナウンスを聞いて、上鳴くんと峰田くんが首を傾げた。
「現場に居合わせた人のことだよ、授業でやったでしょー?」
「一般市民を指す意味でも使われたりしますが…」
変態二人には、透ちゃんとヤオモモが説明してくれている。
《「ここでは一般市民としてではなく仮免許を取得した者として、どれだけ適切な救助を行えるか試させて頂きます」》
「救助…!」
「む…人が居る…!」
障子くんの声に釣られて画面を注視すると、確かに何人もの人が確認出来た。
「老人に子供…!?」
「危ねえ、何やってんだ…!?」
《「彼等はあらゆる訓練に置いて引っ張りダコの、要救助者のプロ!"Help Us Company"、略してHUC(フック)の皆さんです!」》
「要救助者のプロ!?」
「いろんなお仕事あるんだな…!」
「ヒーロー人気のこの時代に則した仕事だ」
『全員同じ顔なのが気になるの私だけ…?』
ま、まぁ今はその辺は関係無いもんね。
気にしないでおこう、うん。
《「傷病者に扮した"HUC"がフィールド全域にスタンバイ中。皆さんには、これから彼等の救助を行ってもらいます。尚、今回は皆さんの救出活動をポイントで採点していき、演習終了時に基準値を超えていれば合格とします。10分後に始めますので、トイレ等済ましといてくださいね~…」》
目良さんのアナウンス後、会場内に居たみんなは思い思いの方向へと散らばって行く。
『(ふわぁあ…眠っ…)』
私は欠伸を喉の奥で殺した。
「モカ、眠ィのか?」
私の右隣に立つ切島くんが顔を覗き込んできた。
『ん~、ちょっとね~…』
「ならコレやるよ、食って目ェ覚ませ!」
『え、良いの?ありがと~!』
「おう!」
切島くんがパンを差し出してくれたため、私はそれを有り難く受け取った。