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《「ここで通過者出ました、現在60名です。あと40名通過で終わり…」》
糸目男子と目が合うと、やはり彼は私を睨んだ。
そしてそのまま、彼は爆豪くん、上鳴くんへと視線を移す。
『(さっきから何、この人…)』
睨み付けられる理由は分からないし、どちらかと言うとこちらが睨み返してやりたいくらいだ。
単純に睨まれるのは気分悪いし、何より…
『(よくも、切島くんを…!!)』
「ちょちょちょ、待てってカフェ!」
無意識に駆け出そうとしていた私の腕を上鳴くんが掴み、小声で引き止められてハッとする。
「それカフェの悪いとこ!木耶子区ショッピングモール行った時もそうだったけど、お前切島のこととなると取り乱すんだから…!いつもは割と冷静なクセにさァ!」
『ご…ごめん上鳴くん…ありがとう』
切島くんのことで取り乱しているつもりはなかったのだけれど…
そうだったのか。
上鳴くんに言われて初めて気が付いた。
上鳴くんと私が小声で話していると、今度は糸目男子が口を開いた。
「我々士傑生は活動時、制帽の着用を義務付けられている。何故か?それは我々の一挙手一投足が士傑高校と言う伝統ある名を冠しているからだ」
『何を言って…、っ!?』
糸目の人物は肉塊になった切島くんを地面に叩き落とした。
『(落ち着け私…落ち着け落ち着け…!)』
私は暴発しそうな怒りをなんとか抑え込む。
「これは示威である。就学時より責務と矜持を涵養する我々と、粗野で徒者のまま英雄を志す諸君との水準差」
「嫌いなタイプだ」
『ね。やな感じ』
「何つったあの人!?頭に入ってこねー!」
「目が細過ぎて相手の実力見えませんだとよ」
爆豪くんは、わざと糸目男子の方を見ながら意地の悪い笑みを浮かべていた。
「私の眼は見目良く長大である!!」
「オイ、コンプレックスだったっぽいじゃん!やめなよそういうの!?」
「ケッ」
知ってか知らずか、相手のコンプレックスをつつくあたり、爆豪くんは流石だと思う…。
「…雄英高校、私は尊敬している。御校と伍することに誇りすら感じていたのだ…それを諸君等は、品位を貶めてばかり…!」
糸目男子が怒りの感情を含んだ声色で話しながら構えの体勢を取る。
「さっきのまた来るぞ!キモいやつ!」
『うん!』
「っせぇ!」
上鳴くんの声と同時に、私も構えの体勢に入った。
みんなの足を引っ張る訳にはいかない。