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早速着替え終えた私達は会場内で待機している。
会場いっぱいにたくさんの人が居て、埋もれてしまいそうだ。
「モカの新しい戦闘服、可愛いじゃん!」
「ケロッ!"個性"に合ったイメージで、とても良いと思うわ!」
『三奈ちゃん、梅雨ちゃん、ありがと~!可愛いよね、発目さんが考えてくれたんだよ!』
あまり緊張を全面に出さない女子二人に戦闘服を褒められ、"今度発目さんにお礼言わなきゃな"なんて思う。
そんな私達の前で、試験官の人が話し始めた。
「えー、ではアレ…仮免のやつをやりまーす。あー、僕、ヒーロー公安委員会の目良です。好きな睡眠はノンレム睡眠、よろしく…仕事が忙しくてろくに寝れない…!人手が足りてない…!眠たい!そんな心情の元、ご説明させて頂きます…」
「(疲れ一切隠さないな…!)」
『(大丈夫かこの人…!)』
気だるげな試験官…目良さんの言葉に少し笑いそうになるが、私は気を引き締めた。
これから試験が始まるんだ。
「仮免のやつの内容ですが、ずばりこの場に居る受験者1540名、一斉に勝ち抜けの演出を行ってもらいます…!」
「マジか、随分ざっくりだな…」
「…よって、試されるのはスピード!条件達成者先着100名を通過とします」
モニターにデカデカと映し出された"先着100名"と言う文字を見て、辺りがざわつき始める。
「受験者全員で1540人、合格者は5割だと聞いてましたのに…!」
「つまり…合格者は1割を切る人数と言うことね…」
「ますます緊張してきたっ…!」
『…』
合格者1割以下。
戦闘系の"個性"を持っていない私が、必殺技も完成していない中で、周りの人達を超えていかなきゃならないんだ。
私はごくりと唾を飲んだ。
「で、その条件と言うのがコレです」
目良さんが、何かの装置を私達に見せる。
「受験者はコレを身体の好きな場所に3つ、但し常に晒されている場所に取り付けてください。足裏や脇等はダメです。そしてこのボールを6つ携帯します。ターゲットはこのボールが当たった場所のみ発光する仕組みで、3つ発光した時点で脱落とします。3つ目のターゲットにボールを当てた人が倒したこととします。そして2人倒した者から勝ち抜きでーす。ルールは以上…」
なるほど…これは攻防共に忙しくなりそうだ。
先着で合格なら、みんなでチームを組んで戦った方が勝てる可能性は高い。
同校での潰し合いは無いと考えて良さそうだ。
敵となる他校の人達も、基本的に団体で勝負しに来ると考えておいた方が良いかもしれない。
「えー、じゃあ"展開"後、ターゲットとボールを配るんで、全員に行き渡ってから一分後にスタートします」
『展開…?』
小首を傾げて一人呟いた瞬間、天井が開いて会場が…展開した。
うん、ホント展開と言う言葉しか出て来ない。
天井が開けたような感じだ。
「各々、苦手な地形好きな地形あると思います。自分の"個性"を活かして頑張ってください」
「みんな!あまり離れず塊で動こう!」
「うん!」
「そうだな!」
緑谷くんの声に、お茶子ちゃんと飯田くんが返事をする。
その隣で爆豪くんが声を荒げた。
「ふざけろ、遠足じゃねェんだよ!!」
『あ、爆豪くん!』
「バッカ、待て待て!」
爆豪くんを追い掛ける私。
…を、追い掛ける切島くん。
「かっちゃん!」
「モカちゃん!?」
「切島くん!」
緑谷くん、お茶子ちゃん、飯田くんの声が後ろから掛かり、内心でごめんと謝っておく。
団体で動くのが一番安牌かと思っていたけれど…
追い掛けて来てしまったものは仕方無い。
切島くんも来てくれたしね。
《「第一次試験、スタート!」》
試験開始のブザー音が辺りに響き渡った。
いよいよ試験スタートだ!