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それから数日経ち、今日は仮免許取得試験前日。
私達1-A生徒はTDLで最後の追い込み練習をしていた。
私は少し休憩中だ。
『尾白くん、必殺技の調子どう?』
「あ、カフェさん!」
体術コンビと言われる尾白くんの様子を見に行き、ひょっこりと岩場から顔を出す。
私に気付くと、尾白くんは手を止めてこちらへとやって来てくれた。
「うん、調子良いよ!明日の試験でも使えそう!」
嬉しそうに笑う尾白くんを見て、私は凄いなぁなんて思う。
「カフェさんは?」
『あ、私?私は…』
ここ数日、毎日汗水垂らして全力で練習に励んできた日々のことを思い出す。
『全然ッダメなんだよね…』
そう。
必殺技の練習をし始めてしばらく経つものの、私は何一つ技を習得出来ずに居たのだ。
ハァと重苦しい溜め息をついた私に、尾白くんが気遣いの言葉を掛けてくれる。
「だ、大丈夫だよ、カフェさんならきっとすぐに出来るよ!」
「モカちゃん、努力家だもんね!」
『その声、透ちゃん?』
突然聞こえた声に驚いていると、透ちゃんが私の両手を取る感覚がした。
「必殺技、仕上げようよ!私も練習付き合うから!ね、尾白くん!?」
「あぁ!もちろん付き合うよ!」
『透ちゃん…尾白くん…!』
近接攻撃がメインの二人が私の練習に付き合ってくれるのは心強い。
二人から優しい声を掛けられ、私は感動で目頭が熱くなるのを感じた。
『ありがとう、二人とも…!!』
私は透ちゃんの手を力強く握り返した。
***
『(なぜ出来ない…!!)』
透ちゃんと尾白くんに協力してもらったものの、必殺技と呼べるものは最後まで完成しなかった。
「ついに明日だね~!」
「どうしよ、緊張してきたぁ…!」
『緊張する響香ちゃん、可愛い…!』
みんなで晩ご飯を食べ終え、その場で少し駄弁っていた。
みんなの表情から見るに、きっと必殺技は完成させているのだろう。
私は落ち込む気持ちを心内に秘め、いつも通りに振る舞った。
『ふわぁあ…今日はもう寝ようかな』
「え、早くない?まだ晩ご飯食べ終わったとこだよ?」
三奈ちゃんが私の顔を覗き込んでくる。
『練習で疲れちゃったのかも。ごめんねみんな、今日は先に寝るね!』
カタンと席を立ち上がると、みんなが声を掛けてくれる。
「うん、おやすみ~♪」
『おやすみぃ~!』
「また明日ね!」
『ん~!』
私はみんなに手を振って、その場を後にした。
***
「…カフェさん、心配ですわね…」
「うん…必殺技、確か一つも完成してないんだっけ…?」
「ケロ…」
「モカちゃんはいつも通りに振る舞ってたつもりみたいだけど…隠されるとさ…何て言うんかな、ちょっと寂しいよね…」
「…もっとウチ等のこと、頼ってくれても良いのにね」
「…」
「三奈ちゃん?」
「…大丈夫っ!モカはきっと大丈夫だよ!」
「「「?」」」
「(ケロ…切島ちゃん、モカちゃんの後を追って行ったわね。三奈ちゃんはそれに気付いた上で"大丈夫"って…)」
私が出て行った後で、そんな話をされていたとは露知らず。