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「ナースコスプレっぽく注射器や聴診器等も用意したかったのですが、ゴチャゴチャし過ぎると体術使用時の邪魔になると思い…」
『発目さん待って!私、刃物なんて要らないよ…!』
ハサミ(通常の物より少し鋭利に見える)はともかく…
メスなんて使う機会は無いだろう。
戦闘時は体術を使うし、"個性"発動時にメスを使う程の医療知識は無い。
「あった方がそれっぽいでしょう!?」
『それっぽいとかじゃなくて…!』
「そちらは護身用です!治癒・回復系の"個性"持ちは敵に狙われやすいので、先程のペンライト同様、護身用として持っておくべきでしょう」
『…!』
「また、アナタの"個性"の欠点の一つ…近接攻撃しか使えないと言う面もこれでカバー出来ます!そう、飛び道具としても使える仕様になっているのです!」
『な、なるほど…』
私は手中のメスを眺める。
「貰っとくだけ貰っときゃ良いんじゃね?使うかどうかは置いといてさぁ」
上鳴くんが私の肩に腕を乗っけてメスを覗き込んでくる。
『うーん…』
「…」
切島くんは何も言わずにこちらを見ていた。
『…せっかくだけど、やっぱりメスは要らないよ』
私は発目さんにメスを返した。
『何ならハサミも、オーガナイザーごと要らない…護身用ってことならこのペンライトがあるし!』
「…」
『やっぱ身軽なのが一番、自分の性に合ってるしね!』
私はオーガナイザーを腰元から外し、その場で軽く飛び跳ねて見せた。
うん、やっぱり無い方が動きやすい。
そのタイミングで、パワーローダー先生がこちらへとやって来る。
「発目、押し付けは良くないよ」
「先生!」
「相手の望まない物は渡すべきではない。例え自分がどれ程その装備を気に入っていてもな」
「…」
『(せっかく私のために用意してくれたのに、それを要らないって言ってしまったから…。上鳴くんの言う通り、使うかどうかは別として貰うだけ貰っておいた方が良かったかな…)』
先生の言葉を聞く発目さんの背中を見ていると、私はなんだか申し訳無い気持ちになった。
戦闘服のデザインやイメージ、何から何まで発目さんに丸投げしてしまっていたから…。
『発目さん、ごめ…』
「それもそうですね!早速考え直しですっ!」
オーガナイザーやメスを手に、ガラクタの山の向こうへと去って行く発目さん。
「すまないな、忙しなくて。アイツはアイツなりに真剣なんだ」
『こちらこそお忙しい中すみません…けど、私はやっぱりこれでいきます!』
拳を前に突き出して見せる。
やっぱり、攻撃は体術でいこう。
すると、それを見ていた切島くんが笑ってくれた。
「やっぱお前はそっちのが良いや!」
(モカが刃物持つ所なんて、危なっかしくて見ねらんねェぜ!)
(でも、そしたら飛び道具どーすんだ?)
(うっ!そ、それは…また考えとく…)