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お茶子ちゃんに続いて、私達は寮の外に出る。
「麗日、どこに…、!」
言い終わる前に驚いたような表情を見せる切島くんの視線を辿ってみる。
するとそこには…
『梅雨ちゃん…』
梅雨ちゃんが一人、俯いて立っていた。
「あのね、梅雨ちゃんがみんなにお話したいんだって…」
お茶子ちゃんはそう言いながら、梅雨ちゃんの隣に立つ。
「…私、思ったことは何でも言っちゃうの」
久し振りに聞いた梅雨ちゃんの声は、酷く震えていた。
「…でも、なんて言ったら良いのか分からない時もあるの。病院で私が言った言葉…覚えてるかしら?」
梅雨ちゃんの言葉に私は頷いた。
私達が緑谷くんを、爆豪くん奪還作戦に誘った時に言われた言葉。
"どれ程正当な感情であろうと、また戦闘を行うと言うのなら、ルールを破ると言うのなら…その行為は敵のそれと同じなのよ"
「うん…」
「心を鬼にして、辛い言い方をしたわ」
「梅雨ちゃん…」
暗い顔をする梅雨ちゃんをお茶子ちゃんが支える。
「それでもみんな行ってしまったと今朝聞いて、とてもショックだったの。止めたつもりになってた不甲斐無さや、色んな嫌な気持ちが溢れて、なんて言ったら言いのか分からなくなって…みんなと楽しくお喋り出来そうになかったのよ…!」
体調が優れないと言うのはそういうことだったんだ。
私は罪悪感で胸がいっぱいになる。
「でも…それは、とても悲しいの」
顔を上げた梅雨ちゃんの大きな目から、涙が溢れた。
「だから…纏まらなくってもちゃんとお話をして、またみんなと楽しくお喋り出来るようにしたいと思ったの…」
「梅雨ちゃんだけじゃないよ…みんな、すんごい不安で…拭い去りたくって。だから部屋王とかやったのもきっと、デクくん達の気持ちは分ってたからこそのアレで…だから責めるんじゃなくまたアレ…なんていうか…なんかムズいけど…」
お茶子ちゃんは言い淀みながらもみんなの前に出て、いつものような明るい笑顔を見せてくれた。
「とにかく!またみんなで笑って、頑張っていこうってやつさ!」
「『梅雨ちゃん!!』」
お茶子ちゃんが言い切ったと同時に、切島くんと私は梅雨ちゃんの元へと駆け寄った。
「ケロ…?」
「すまねェ!!話してくれてありがとう!」
『心配掛けてごめんね!ごめんね梅雨ちゃん…!』
切島くんが正面から梅雨ちゃんの両肩を掴むのと同時に、私は梅雨ちゃんに後ろから抱き着いた。
「蛙吹さん!」
「梅雨ちゃんくん!」
「蛙吹 すまねぇ」
「あす…ゆちゃん!」
みんなもぞろぞろと梅雨ちゃんの元に駆け寄ってくる。
「もう絶対ェしねェから!」
「私もです!」
「約束する!」
梅雨ちゃんの頭を撫でるヤオモモ、頭を下げる飯田くん。
「ひっく…ひっく…」
みんなの中心に居る梅雨ちゃんは、しばらく泣きじゃくっていた。