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「学生寮は一棟一クラス。右が女子棟、左が男子棟と分かれてる。ただし一階は共同スペースだ。食堂や風呂、洗濯等はここで」
只今私達は相澤先生の説明を聞きながら寮内を見学中だ。
「うぉー!」
「中庭もあんじゃん!」
「広っ!綺麗っ!ソファー!!」
「豪邸やないかー!」
「麗日くん!?」
みんなはだいぶテンションが上がっているようだ。
お茶子ちゃんは倒れており、そんな彼女に飯田くんが駆け寄っている。
「聞き間違いかなぁ…!?風呂、洗濯が共同スペース…!?夢か…!?」
峰田くんがあらぬことを想像してゴクリと生唾を飲み込む。
「男女別だ。お前いい加減にしとけよ」
「ハイ。」
相澤先生に言われれば流石の峰田くんも何も言えないようだった。
「部屋は2階から、1フロアに男女各4部屋の5階立て。一人一部屋、エアコン、トイレ、冷蔵庫にクローゼット付きの贅沢空間だ」
「ベランダもある!凄い!」
「我が家のクローゼットと同じくらいの広さですわね…」
「豪邸やないかい!」
「麗日くん!」
なるほど、そのへんの家具を自分で用意しなくてもいいのは非常に助かる!
「部屋割りはこちらで決めた通り。各自事前に送ってもらった荷物が部屋に入ってるから、とりあえず今日は部屋作ってろ。明日また、今後の動きを説明する。以上、解散」
「「『はい、先生!』」」
私達は元気良く先生に返事をした。
そしてそれぞれ、早速自分の部屋へと向かう。
『私の部屋は…ここかぁ…』
部屋割りの書かれた紙を眺める。
"2階"。
同じフロアに女子が居ない上に男子とも離れているため、ぼっち部屋である。
せっかくの寮生活なのになんだか寂しい。
『失礼しまーす…』
ガチャリとドアを開け、部屋に入る。
ちゃんと私の荷物も届いているようだ。
今日一日は荷物整理で潰れちゃいそうだな。
『今、何時だろ…』
私はスマホの画面を確認する。
『…』
時間を確認するだけのつもりだったけれど、私の指はスマホの画面を押し進める。
そして開いたのは"ヒーローニュース"の画面だった。
そこの新着記事を確認する。
『…』
神野の事件から数日が経ったけれど…
この数日で、何回このサイトにアクセスしただろう。
"オールマイト 引退"…
"神野区に現れた敵連合"…
"プッシーキャッツ メンバーのラグドール "個性"が失くなった!?"
全て確認済みだ。
そして…
『!』
私はとある記事をタップした。
"ベストジーニスト 長期の活動休止決定"
『………そんな…』
オール・フォー・ワンと呼ばれた敵のボスが、私の目の前でベストジーニストの腹部に穴を開けた。
あれが原因で、しばらくは活動休止なのだそうだ。
『…』
共に過ごした時間は一週間という、とても短かい時間だった。
けれど私はそんな短い時間の中でも、ベストジーニストという人物に尊敬の念を抱いた。
彼の考え方、"個性"の使い方、物の捉え方…全てが理に適っていて、私も彼のように冷静に物事を判断出来るようになりたいと思った。
また会って、成長した姿を見せたいと思った。
『…っ』
それなのに。
『うぅ…!……っひっく…!…ぐすっ…』
私は新しい部屋で、一人涙を流した。
***
時間が過ぎるのは早いものだ。
あの後思う存分泣いた私は、落ち着いてから荷解き作業をした。
瞼も腫れてしまったため"個性"で回復させておいた。
そして、あれよこれよと作業をしている内に、あっという間に夜になったのだった。
「あー、疲れたぁ!」
「経緯はアレだが、共同生活ってワクワクすんなぁ!」
「共同生活…!これも協調性や規律を育むための訓練!」
「キバるなぁ委員長!」
1階の共同スペースで寛ぎ中の男性陣を見て、私達女性陣は彼等に声を掛ける。
「男子!部屋出来たー?」
「うん、今寛ぎ中!」
三奈ちゃんの問いに上鳴くんが答えてくれる。
「あのね!今女子で話しててぇ~…」
「提案なんだけどぉ~…」
「お部屋披露大会しませんか!?」
三奈ちゃんと透ちゃんの言葉を聞いて、緑谷くん、常闇くん、峰田くんが固まった。