17
name change
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
『(私達の勝手な行動のせいで…)』
今更自分を責めたってどうにもならないことは分かっているけれど、この気持ちをどうすればいいのだろう。
私はその場で俯いた。
「チッ…!」
少し離れた所から舌打ちが聞こえ、ちらりとそちらを見てみる。
すると…
「来い」
「え?何、やだ」
何を思ったのか、爆豪くんは上鳴くんを引き摺って草むらの影へと行ってしまった。
彼等が近くの茂みに入るとすぐに、辺りにビリビリと電気や火花が飛び散る。
そして…
「うェ~~~い…」
アホが出て来た。
「バフォッ!」
「何?爆豪、何を…」
アホになった上鳴くんを見て響香ちゃんが吹き出し、瀬呂くんは苦笑している。
そんな彼等に返事もせず、爆豪くんは切島くんの元へと真っ直ぐ向かった。
「切島」
名前を呼ばれた切島くんが顔を上げる。
爆豪くんはなんと、切島くんに万札を数枚突き付けていた。
「え 怖っ 何、カツアゲ!?」
「違ェ!!俺が卸した金だ」
切島くんは、爆豪くんの言葉を聞いて首を傾げていた。
「あ…え!?おめー俺が暗視鏡買ったのどこで聞いて…?」
爆豪くんは切島くんに答えない代わりにお金を押し付けた。
今度は私の目の前にずんずんとやって来る。
「おい、カフェ」
『わぁあ、何その怖い顔!?』
凄みのある顔で目の前に立ち塞がる爆豪くん。
爆破されると思った私は、彼から距離を取るべくして後退った。
『爆破は勘べ…』
言い終わる前に、正面に立つ爆豪くんが…
なんと、私の両頬にスッと手を添えたのだ。
『へっ…!?』
「…いつまでも ンな顔してんなよ、クソが」
爆豪くんから触れられるのは初めてで、驚いて目を見開く。
『(この前は…拒否されたのに…)』
職場体験から帰って来た直後のヒーロー基礎学の授業中、急成長した緑谷くんを見て歯を食いしばっていた爆豪くんに触れようとして、手を叩かれたことを思い返す。
そこまで考えていると…
「…」
『!?』
そのまま、グイーッとほっぺを外側に引っ張られた。
結構な力で。
『ひょっ、い゙っ…い゙りゃーーーっ!?』(ちょっ、いっ…痛ーっ!?)
裂ける裂ける裂ける!!
それでも爆豪くんはお構い無しで私の頬を引っ張り続けた。
「それ以上そのシケたツラ晒してみろ…どうなるか分かってんだろうな、あァ゙?」
『…!!』
爆破されるのは勘弁なので、私はコクコクと何度も頷いて見せる。
それを確認した爆豪くんがパッと手を離したため、私はその場にドサッと崩れ落ちた。
そんな私を気にすること無く、爆豪くんは相澤先生の後を追う。
「いつまでもしみったれられっと、こっちも気分悪ィんだ!いつもみてェにバカ晒せや!」
「『!』」
こちらに背を向ける爆豪くんに、切島くんと私はその場で固まった。
「ふぇ…ふぇふぇいだうェイ!」
「ダメ、ウチ、この上鳴、ツボ…!」
「あっははは!」
「笑い過ぎだろ!」
みんなは私達の傍で大笑いしてる。
「…悪ィな」
切島くんは一つ溜め息をついて、爆豪の背中を見つめていた。
「茶番…も、時には必要か…」
「みんな、すまねェ!詫びにもなんねーけど、今夜はこの金で焼き肉だぁ!」
「マジか!?」
「ウェーイ!」
「あっははは!」
私達の賑やかな声が辺りに響いた。