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ここは雄英敷地内。
校舎から徒歩5分、築三日。
私達1-A生徒はデカデカと"ハイツアライアンス"と書かれた建物の前に立っている。
「とりあえず1年A組、無事にまた集まれて何よりだ」
私達の前に立つ相澤先生をこの距離で見るのが、なんとなく懐かしく感じた。
「みんな、入寮の許可降りたんだな!」
「ふぇ~…私は苦戦したよ~…」
「フツーそうだよねぇ」
「二人はガスで直接被害あったもんね…」
そう。
何を隠そうこの建物は、これからの私達の住まいである。
つまり学生寮だ。
クラスみんなと共同で過ごす…
これからまた、新たな学生生活が始まるのだ。
ワクワクする半面、少し不安や寂しさも感じる。
もちろん親元を離れるのが寂しいというのも理由の一つだけれど、学校帰りに公園に寄ったり、切島くんとその日一日の話をしながら帰ることも、毎日の楽しみだったから。
「無事集まれたのは先生もよ。会見を見た時は、居なくなってしまうのかと思って悲しかったの」
「うん…」
梅雨ちゃんとお茶子ちゃんの声に私も頷いた。
「…俺もびっくりさ。まァ色々あんだろうよ…さて、これから寮について軽く説明するがその前に一つ。当面は合宿で取る予定だった仮免取得に向けて動いていく」
「そういやあったな、そんな話」
「色々起こり過ぎて頭から抜けてたわ!」
確かに、みんなの言う通りすっかり忘れていた。
「大事な話だ。いいか?轟、切島、カフェ、緑谷、八百万、飯田。この6人はあの晩、あの場所へ爆豪救出へ赴いた」
『…』
「ケロ…」
相澤先生は"あの晩、あの場所"と曖昧な言い方をしたが、クラスメイトのみんなは何のことを言っているのか理解出来たようだ。
梅雨ちゃんは唖然としている。
「…その様子だと、行く素振りはみんなも把握していた訳だ。色々棚上げした上で言わせてもらうよ。オールマイトの引退が無けりゃ俺は、爆豪、耳郎、葉隠以外、全員除籍処分にしてる」
『…!』
私は相澤先生の言葉に思わず目を見開いた。
「行った6人は勿論、把握しながら止められなかった12人も理由はどうあれ俺達の信頼を裏切ったことには変わりない。正規の手続きを踏み、正規の活躍をして、信頼を取り戻してくれるとありがたい」
『(オールマイトの引退が無ければ…みんな除籍処分に…)』
私達6人のエゴが、先生方に迷惑を掛けただけでなく、クラスメイトのみんなも巻き込むところだったんだ。
申し訳無さ、居た堪れなさで胸がギュウッと締め付けられる。
「以上!さっ!中に入るぞ元気に行こう」
「「『(いや待って、行けないです…)』」」
サクサクと寮のエントランスへと足を向ける相澤先生だが、どうもそれに着いて行けそうになかった。