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あの後、轟くん達と無事に合流した私達は、爆豪くんを警察へと送り届けた。
色々話をした後、爆豪くんは私達と共に帰ることとなった。
帰る際は交通機関の運休や遅延が原因で、半日以上かけて家に帰ることになってしまった。
帰りの新幹線の中、私は切島くんの隣の席に着くなり熟睡。
そこからしばらく経った今…
私はふと目を覚ました。
『………ん…』
「お、起きたか」
自分のすぐ頭上で切島くんの声が聞こえて目を擦る。
いつの間にか切島くんに凭れ掛かっていたようだ。
『んぁ、ごめん…重かったでしょ』
「はは、結構グイグイくっから、どうしたもんかと思った!」
『ごめんって~…』
切島くんは笑いながら、弄っていたスマホを膝の上に置いた。
「あっちのみんなも、結構疲れてるみてぇだぜ」
切島くんの指差す方を見ると、通路を挟んで向こう側に居る緑谷くん、飯田くん、轟くん、ヤオモモはぐっすりと眠っている。
私の目の前の席で、爆豪くんも腕を組みながら眠っているようだった。
『あれ、起きてるの切島くんだけ…?』
「んや、さっきまで飯田と轟も起きてたんだけど寝ちまった!」
『そっかぁ…みんなお疲れだね』
「なんかドッと疲れたな~…」
『だね~…』
緊張感や達成感から解放されたせいか、なんとなく身体が重い。
『…でも、爆豪くんが無事で良かった!』
「あぁ!コイツが一番疲れただろうからなァ」
『あはは、ぐっすりだねぇ』
切島くんと私は、目の前で眠る爆豪くんの顔を覗き込んだ。
「爆豪が戻って来て良かったぜ!」
『ほんとにね!これでまた三人一緒に過ごせるね!』
「(コイツ等クソうるせェ…!!)」
一瞬、ピクッと爆豪くんが動いた気がしたけれど…気のせい…かな?
『あ、そういえば切島くん』
「ん?」
『廃工場前で酔っぱらいに絡まれた時…ありがとね、救けてくれて』
「あぁ、ありゃ驚いたな~!怖かっただろ?」
『うぅん、切島くんが守ってくれたから全然!』
敵に比べれば酔っぱらいなんて全然怖くなかったけれど…
あの時、その大きな背中に私を隠して守ってくれた切島くんの姿を思い出すと、胸の鼓動が早くなるのが分かる。
『ほんとに私のこと守ってくれたね、嬉しい』
爆豪くん救出に向かう前に、"爆豪もお前も俺が守る"と言ってくれたことを思い返しながらお礼の言葉を述べると、彼は恥ずかしそうに目を逸らした。
「あの時のは"敵から守る"って意味で言った訳で…酔っぱらいなんざ敵でも何でもねーし…」
『守ってくれたことに変わりはないじゃん、充分ヒーローだったよ!』
「…バッカ、褒めたって何も出ねェから!」
切島くんはそう言いながらも、嬉しそうにはにかんで私の肩を小突いてきた。
『なんかあの時ね、初めて会った時のこと思い出したんだ』
「お、それ実は俺も思ってたんだ!」
『あ、やっぱり?』
「流石、相棒っ!考えることは同じだな!」
切島くんと私が、初めて出会った時のこと。
とある出来事が、私達の運命をここまで変えたのだ。