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『………ば、』
「爆豪ぉぉおおおッ!!」
『爆豪くんんんんッ!!』
敵を振り切り地に降りた瞬間、切島くんと私は両サイドから勢い良く爆豪くんに抱き着いた。
「っんだゴラァ!!やめろ邪魔だ死ねボケこのクソカス共ォ!!」
全力で振り払われたけど。
爆豪くんはいつもの三割増しくらいで口が悪いが、特に気にならないくらいだ。
『だって…だって、嬉しくて…!』
「あぁ!無事で良かったぜ、マジで!」
再会を喜び合う私達三人を見ていた飯田くんが、そう言えば…と緑谷くんに話し掛ける。
「轟くん達は上手く逃げ切れただろうか?この人混みの中だが、なんとかして合流しなければ…」
「あ!僕、連絡してみるよ!」
緑谷くんが轟くんに連絡を取ってくれるらしいから、そこは任せよう。
「それより…爆豪、手…」
「あ゙?」
切島くんの声に釣られて爆豪くんの手を見てみる。
右手は空中で回復させたけれど…
左手は6対1で敵と戦い"個性"を使い過ぎたせいだろうか、ボロボロになっていた。
『これ…さっき敵とやり合ってたせいで…』
「モカ、治せるか?」
『うん!ごめん、ちょっと触るね』
「オイコラ触んな!」
爆豪くんは口では"触るな"と言うけれど、私の手を振り払うことはしない…
たぶん、怪我が酷くて振り払えないのだろう。
現に少し痙攣している。
ギャンギャンと罵声を浴びせてくる爆豪くんの言葉を聞き流しながら、私は"個性"を発動した。
そんな私達の後ろでは緑谷くんが轟くんと電話をしている声が聞こえる。
《「緑谷、そっち無事か?」》
「うん!轟くんの方は!?逃げ切れた!?」
《「たぶんな…ヤツの背面方向に逃げてる。プロ達が避難誘導してくれてる」》
「良かった…僕等は駅前に居るよ!」
緑谷くんが通話中だと言うのに、その傍で爆豪くんは大声を上げる。
「いいか!?俺ァ救けられた訳じゃねェ!一番良い脱出経路がテメェ等だっただけだ!!」
「ナイス判断!」
「オールマイトの足引っ張んのは嫌だったからな…!」
フン、と鼻を鳴らす爆豪くん。
しばらく時間が経つと傷はほとんど無くなったため、私は爆豪くんの手を離す。
すると、爆豪くんに"余計なお世話だボケ"と言われた。
そんな爆豪くんを見て、切島くんと私は顔を見合わせて笑った。
その時、駅前の大きなモニターでニュース速報が流れており、キャスターの声が耳に入って来た。
《「正に悪夢のような光景!突如として神野区が半壊滅状態となってしまいました!現在、オールマイト氏が元凶と思われる敵と交戦中です!信じられません!敵はたった一人!街を壊し、平和の象徴と互角以上に渡り合っています!」》
「何だ、あのガイコツ…」
街の人の声に釣られてモニターを再度確認すると、確かにガイコツ…というか、ガリガリに痩せ細った男性がオール・フォー・ワンの前に立っていた。