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「そんな方法で…!?」
「オールマイトの状況、かっちゃんなら分かってるはず…!」
「だろうな…」
緑谷くんの作戦を聞いた私達はしばらく考え込む。
「かっちゃんは相手を警戒して距離を取って戦ってる…!タイミングは、かっちゃんと敵達が二歩以上離れた瞬間…!」
「飯田さん…」
「博打ではあるが…状況を考えれば、俺達へのリスクは少ない…!何より成功すれば、全てが好転する…!」
『…』
戦わずに爆豪くんを救け出し、私達が負うリスクもほとんど無い作戦…
もう、これしかない。
私達がこうして話し込んでいる今だって、爆豪くんは6対1で逃げ回っているし、オールマイトは敵のボスと戦っているんだ。
『(飯田くんお願い…!頷いて…!)』
「やろう!!」
飯田くんは大きく頷いてくれた。
「敵は僕等に気付いてない!敵に散々出し抜かれてきたけど、今は僕等がそれを出来る立場にあるんだ…!」
***
私達はいつでも出陣出来るように、体勢を整えている。
切島くんが私をおぶり、その切島くんを緑谷くんと飯田くんが両側から支えているような形だ。
今は切島くんが私を後ろ手で支えてくれているけれど、作戦が開始されると自分の腕の力だけで切島くんにしがみつかなければならない。
腕の力が足りなくなって敵達の中に落っこちるなんて死んでも御免だ。
『切島くん…』
「ん?」
『…最初は反対してごめんね。絶対、爆豪くん救けようね…!』
ギュウッと切島くんの首に回す腕に力を込める。
「ったりめーだ!!」
彼は、いつものように笑ってくれた。
「行くぞ…今だ!!」
緑谷くんの掛け声により、私達四人はひと塊になって飛び出した。
緑谷くんのフルカウルと飯田くんのレシプロで、まず推進力。
そして切島くんの硬化で、壁をぶち抜いた。
「「「!?」」」
派手な音がしたため、敵達が驚いてこちらを振り返る。
同時に、すぐさま轟くんの氷結でなるべく高く跳べるよう道を形成。
そして手の届かない高さから戦場を横断する。
"僕じゃダメだ、轟くんでも飯田くんでも八百万さんでも…入学してから今まで、かっちゃんと対等な関係を築いてきた…友達の呼び掛けなら…!"
『(緑谷くん、よく見てるなぁ…)』
すぅっと息を吸い込み、私は出せる中で一番大きな声を出した。
『爆豪くんッ!!』
「…来いッ!!!」
私の声に反応した爆豪くんがこちらを見て、次に切島くんが手を差し出しながら大きく声を上げた。
それを見た死柄木弔が、爆豪くんに向かって手を伸ばす。
その瞬間、爆豪くんを中心に爆発が起こった。
煙の中からは爆豪くんが飛んで出て来た。
「…バカかよ」
爆豪くんが切島くんの手をしっかりと取ったのを確認し、緑谷くんと飯田くんは加速する。
「何ィ!?」
スピナーがこちらを見上げている。
やばい、早く逃げなきゃ…!
『爆豪くん、怪我してない!?ここからは爆豪くんの力も要るの!』
「だァれが怪我なんざするか!!」
作戦の最後は私の"個性"、回復。
聞いておいてなんだけど私は爆豪くんの言葉を聞き流して、自身の手先に"気"を溜め、身体を仰け反らせて爆豪くんの手に触れた。
『回復したよ!』
「よし、爆豪くん!俺の合図に合わせ爆風で!」
「テメェが俺に合わせろや!」
「張り合うなこんな時にィ!」
私達がごちゃごちゃと揉めていると、敵達の話し声が聞こえる。
「逃がすな!遠距離ある奴は!?」
「荼毘に黒霧、両方ダウン!」
「アンタ等、くっついて!いくわよ!」
『!…来るっ!』
とは言っても、みんな両手が塞がってるし…
『(ここは私が行くしかない…!敵と戦うことになるけど、今は細かいこと言ってらんない!みんなを逃がさなきゃ!!)』
私が切島くんの肩から両腕を離そうとした、その時。
「タイタングリフ!!…ぐあっ!」
「『Mt.レディ!?』」
「救出…優先…!行って…!バカガキ…」
Mt.レディが捨て身で私達を守ってくれた。
「まだ間に合う!もう一発行くわ、あんっ!」
「グラントリノ!」
今度はどこからか、めちゃくちゃ動きの俊敏なおじいさんが出て来た。
緑谷くんは彼をグラントリノと呼んだ…
どうやら知り合いらしい。
私がそんなことを考えている間にも緑谷くん達が加速してくれたおかげで、なんとかその場を去ることが出来た。
爆豪くん奪還作戦、成功だ。