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オール・フォー・ワンと呼ばれた男は、オールマイトと掴み合ってから、素手でオールマイトを弾いた。
その衝撃で爆風が巻き起こる。
「お、オールマイトまで…!?」
「随分遅かったじゃないか…Barからここまで5キロ余り…僕が脳無を送り、優に30秒は経過しての到着…衰えたねオールマイト」
「貴様こそ何だその工業地帯のようなマスクは!?だいぶ無理してるんじゃあないか…!?5年前と同じ過ちは犯さん!オール・フォー・ワン、爆豪少年を取り返す!そして貴様を今度こそ刑務所にぶち込む!貴様の操る敵連合諸共!!」
「それはやることが多くて大変だな、お互いに!」
オールマイトがオール・フォー・ワンに突っ込んで行くが吹き飛ばされてしまった。
「"空気を押し出す"+"筋骨発条化""瞬発力"×4"膂力増強"×3…この組み合わせは楽しいなぁ…増強系をもう少し足すか…」
「オールマイトォ!!」
「心配しなくてもあの程度では死なないよ」
叫ぶ爆豪くんに、オール・フォー・ワンはそう言った。
そして今度は死柄木弔に視線を移す。
「だからここは逃げろ弔、その子を連れて。黒霧、皆を逃がすんだ」
『(黒霧?さっきから見掛けてないはずだけど…あ、あんな所に倒れてる…!)』
地面に倒れている黒霧を見付けたその瞬間、オールフォーワンが"個性"を使って…
黒霧を、刺した。
これには味方も驚いたようで、マグネが声を上げる。
「ちょっ…アナタ!彼、やられて気絶してんのよ!?よく分かんないけど、ワープを使えるならアナタが逃してちょうだいよ!」
「僕のはまだ出来立てでね、マグネ。転送距離が酷く短い上、彼の座標移動と違い、僕の元へ持って来るか、僕の元から送り出すしか出来ないんだ。ついでに送り先は人、馴染み深い人物でないと機能しない…だから、黒霧にやってもらう。"個性強制発動"!」
『("個性強制発動"!?そんなことが出来るの…!?)』
「さぁ、行け!」
「先生は…?」
死柄木弔がオール・フォー・ワンを"先生"と呼んだその時。
先程吹き飛ばされたオールマイトが凄い勢いで帰って来た。
「常に考えろ、弔。君はまだまだ成長出来るんだ」
「逃さん!」
ドォンとまた大きな音と爆風が私達を襲う。
「先生…!」
「行こう死柄木!あのパイプ仮面がオールマイトを食い止めてくれてる間に!"駒"持ってよ!」
敵の一人がそう言うのと同時に、爆豪くんは敵達に囲まれてしまった。
「めんっ…ドクセー」
「爆豪少年!…くっ!」
敵達に6対1で囲まれ、それをなんとか避けている爆豪くん。
オールマイトはオール・フォー・ワンに足止めをされていて、爆豪くんを救けに行けないようだ。
「今行くぞ!!うぅっ!」
「させないさ、そのために僕が居る!」
オールマイトは向かいのビルに投げ飛ばされてしまった。
『このままじゃ爆豪くんが…!行かなきゃ!6対1なんて、いくら爆豪くんでも…!』
「カフェさん、落ち着いて!」
緑谷くんにそう言われてハッとする。
そうだ、落ち着かなきゃ…冷静にならなきゃ。
『("どんな時も常に冷静に"…そうだよね?ベストジーニスト…)』
脳裏に焼き付いたベストジーニストの無惨な姿を、首を横に振って掻き消す。
「…飯田くん、みんな!!」
「ダメだぞ、緑谷くん!」
「違うんだよ、あるんだよ!決して戦闘行為にはならない、僕等もこの場から去れる!それでもかっちゃんを救け出せる方法が…!」
『そ、そんな方法が…!?』
緑谷くんの言葉に、私は身を乗り出す。
「言ってみてくれ」
「でもこれはかっちゃん次第でもあって…この策だとたぶん…僕じゃ…成功しない…だから切島くん、カフェさん!君達が成功率を上げる鍵だ!!」
「『…!!』」
切島くんと私は顔を見合わせた。