16
name change
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
正面はやはり人通りがあって目立つ動きは出来ないため、工場の裏側に回ってみることにした。
横道を見付けた私達は、緑谷くん→飯田くん→轟くん→切島くん→私→ヤオモモの順で狭い道を進んで行く。
「…狭いですわ…支えそう…」
『ヤオモモ、おっぱいおっきいもんねぇ』
「なっ…カフェさんっ…!」
私の後ろで顔を赤くして照れているヤオモモが可愛くて仕方が無い。
「安全を確信出来ない限り動けない…!ここなら人目は無いし…あっ!あの高さなら中の様子見れそうだよ!」
少し開けた空間に出て来て、緑谷くんの指差す方向を見れば確かに、中を覗けそうなスペースがあった。
「この暗さで見られるか?」
「それなら私が暗視鏡を…」
「いや、八百万…それ持ってきてんだな実は」
"個性"を発動しようとするヤオモモを制したのは切島くんだった。
「えぇ凄い、何で!?」
「Amaz○nには何でもあってすぐ届くんだ。一つしか買えなかったけど…やれること考えた時に…要ると思ってよ」
「でもそれめっちゃ高いやつじゃない!?僕も戦闘服考えてた時にネットで見たけど、確か5万くらいしたような…」
「値段はいんだよ、言うな!」
『切島くん…』
…切島くんのこういうところ、好きだなぁ。
なんて思うのと同時に、切島くんに対してなんだか申し訳無い気持ちが溢れてくる。
『(切島くんは切島くんなりに、やれることを精一杯考えてたんだ…なのに最初、私はそれを聞きもしないで否定して…)』
爆豪くんを救けに行くことを話してくれた時のことを思い返す。
「モカ、ぼーっとして…どうした?」
『うぅん、何でもないよ!』
不思議そうにこちらを見る切島くんに心配をかけまいと私は笑って見せた。
まぁ終わったことを今更うじうじ言ってても仕方無いもんね。
「よし、じゃあ緑谷と切島で見ろ。俺と飯田で担ごう」
轟くんの提案にみんなで頷いた。
そして轟くんは緑谷くんを、飯田くんは切島くんを担ぐ。
ヤオモモと私はそれを傍で見守っている。
「狭いな…」
「あまり身を乗り出すなよ、危ないと思ったらすぐ逃げ出せるよう…」
「飯田、ちょっと下がれるか?…っしょ」
『気を付けてね…』
「様子を教えたまえ。切島くん、どうなってる?」
切島くんは暗視鏡を目元に宛てがい、工場の中をぐるりと見渡した。
「んぁー…汚ェだけで…特に…は………うおっ!!」
声を上げてグラつく切島くんを飯田くんがなんとか支える。
「切島くん!?」
「っべェ!」
「どうした!?何が見えた、切島!?」
「左奥…!緑谷、左奥!見ろ!」
「…!ウソだろ…!?」
暗視鏡を手渡された緑谷くんが小さく呟く。
「あれ…全部、脳無…!?」