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あのあと私は新幹線内で熟睡した。
おかげで眠さは全く無い。
これでこの後も"個性"使えるぞ。
「着いた!神野区…!」
「この街のどこかに潜んでんのか」
「人多いな…」
そしてやって来たのは神奈川県神野区。
駅前と言うこともあってか、派手な人達がたくさんいらっしゃる。
「さァどこだ八百万!!」
「お待ちください!」
いきなり走り出す切島くんをヤオモモは声で、私は服を掴んでそれぞれ制した。
「ここからは用心に用心を重ねませんと!私達、敵に顔を知られているんですのよ!?」
「分かった!…うん、隠密だ!」
今度は緑谷くんが両手で顔を隠して見せる。
「余計に目立ってんぞ、緑谷」
『(だからツッコミがなっちゃいないよ、轟くん…!)』
事が落ち着いたら、轟くんにツッコミの練習でもしてもらおうか。
…いや、やめておこう、ツッコミの練習をする轟くんなんて想像したくない。
「しかし、このままでは偵察もままならんな…」
「じゃあどうすんだよ…?」
『うーん…』
悶々と考え込む私達を見て、ヤオモモがなんだか嬉しそうに口を開く。
「そこで私、提案がありましてよ!」
そう言うヤオモモの指差す方向には、"格安の大道 鈍器・大手"と書かれた大きな看板があった。
***
『よし、じゃあカーテン!オープン!』
「オッラァ!コッラァ!」
ジャラッと更衣室のカーテンを開くと出て来たのは、ヤクザちっくな緑谷くんだ。
お世辞抜きにしてもヤクザが下手くそである。
『続いて轟くん!オープン!』
「なるほど、変装か…!」
隣のカーテンを開けると、ホストちっくな轟くんが出て来た。
ちょっとウィッグがズレている所がなんとも絶妙なボケ具合だ。
…あれ、これボケてないのかな、もしかして天然?
まぁ面白いのでこのままで居てもらおう。
『今度はヤオモモ!オープン!』
「変装、そういうことですわ!」
カーテンを開ければ、キャバ嬢ちっくなヤオモモの登場だ。
ヤオモモは、職場体験中にCM出演したというヘアスプレー"UNERI"を、宣伝がてらちゃっかり掲げている。
『やっぱりスタイル良い人は何でも似合うなぁ~…!』
こういうキャバ嬢みたいな派手なイメージは、ヤオモモにはあまり無いのだけれど…
着こなしているあたり流石だと思う。
『次、飯田くん!オープン!』
「この格好は何だ…!?」
いやホント何だ、飯田くん。
でもバレなさそうだから良いか。
『最後は切島くん!オープン!』
「飯田、後で教えっから!」
なんかツノ生えてるよ切島くん。
ていうか…
『(切島くん、ちょっと格好良いかも…)』
テンションが上がっているのか決めポーズをする切島くんに、私は思わず顔が熱くなる。
「カフェさん!切島さんに見とれている場合ではありませんわ!」
「なっ…!?」
『そ、そんなんじゃ…!』
「カフェさんの衣装は私が選びました!さ、早くお着替えください!」
切島くんと私が言い切る前に、私は更衣室へと押し込められてしまった。