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翌日、A組のみんなと病院前で合流し、緑谷くん、ヤオモモ、響香ちゃんと透ちゃんの様子を見に行くと言うことになった。
みんなでお金を出し合い、大きなメロンを手土産に購入した私達。
そんな私達は緑谷くんの病室へと向かった。
上鳴くんが扉をノックし、先陣を切って部屋へと入って行く。
「あー緑谷!目ェ覚めてんじゃん!」
上鳴くんの言葉に安心し、私達も入室する。
ベッドには身体の至る所に包帯を巻かれた緑谷くんが居た。
『(リカバリーガールと病院の先生の治療を受けたって言ってたから、今はもう大丈夫なんだろうけど…緑谷くん、やっぱり全身大怪我してたんだ…!)』
「テレビ見たか?学校、今マスコミヤベーぞ!」
「春の比じゃねぇ!」
「メロンあるぞ!みんなで買ったんだ!」
わいわいと騒がしいみんなに、緑谷くんは苦笑している。
『(私が、緑谷くんを見失ったから…)』
私が自責の念に押し潰されそうになっていると、バシバシと背中を叩かれた。
顔を上げてみると、こちらを見てへらっと笑う上鳴くんが居た。
「バカ、暗い顔すんなって!」
『上鳴くん…ありがと』
私達は小さくやり取りをし、緑谷くんへと視線を戻した。
上鳴くんに内心でもう一度感謝しておく。
切島くんは緑谷くんを見て思い詰めたような顔をしていた。
これから"あのこと"を、緑谷くんに話さなきゃならないんだもんね。
「…迷惑掛けたな、緑谷」
「うぅん、僕の方こそ…A組みんなで来てくれたの?」
緑谷くんが私達を順番に見遣るが、飯田くんが首を横に振った。
「いや…耳郎くん、葉隠くんは敵のガスによって未だ意識が戻っていない…そして八百万くんも頭を酷くやられ、ここに入院している。昨日ちょうど意識が戻ったそうだ。だから来ているのはその内三人を除いた…」
「16人だよ」
お茶子ちゃんの高い声が病室内に嫌に響いた。
「…爆豪居ねェからな」
「ちょっ轟…」
轟くんの言葉を三奈ちゃんが窘める。
緑谷くんは天井を見ながら、ゆっくりと口を開いた。
「…オールマイトがさ、言ってたんだ。手の届かない場所には救けに行けないって。だから手の届く範囲は必ず救け出すんだ。僕は手の届く場所に居た。必ず救けなきゃいけなかった。僕の"個性"はそのための"個性"なんだ…!相澤先生に言われた通りになった。"お前のは一人を救けて木偶の坊になるだけ"…」
緑谷くんの優しい声色が、次第に掠れたものになっていく。
「身体…動かなかった…!!」
『…っ』
ぼろぼろと大粒の涙を溢す緑谷くんに釣られて、私も涙腺が緩んでしまうが必死に堪えた。
「じゃあ、今度は救けよう」
切島くんが緑谷くんを見据えながら、そう言った。
「「「へ!?」」」
『…』
クラスメイトのみんなは口を揃えて驚きの声を上げた。