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『爆豪くんが心配なのは私もだよ、切島くんだけじゃない…みんな心配なんだよ。でも今回のはどう考えても…』
「んなの分かってるよ…モカの言ってることが正しい」
私だって、行けるものなら救けに行きたい。
爆豪くんは大切な友達だし、敵に囚われる身であるという不安や怖さは痛いほど分かる。
けれど。
『お願い、分かって…』
私は正面から彼に抱き着いた。
『(これ以上被害者を出したくないよ…切島くんまで囚われてしまったら…)』
お願い、と心の中で祈りながら、ギュウッと彼のシャツを握り締める。
『(私…私は…)』
すると、ぽんぽんと頭上で優しい感触がした。
切島くんが頭を撫でてくれたのだ。
「心配してくれてありがとな、モカ」
頭上から聞こえてきた優しい声色に、私は顔を上げる。
「でも、俺は行く」
『!』
切島くんは真っ直ぐに前を見据えながらそう言い放った。
「ここで動かなきゃ、俺ァ死んでも死に切れねーや!」
ニカッと笑ってそう言う切島くんに私は呆気に取られた。
『何それ…』
「何って、そのまんまの意味だ!」
『………頼もし過ぎるよ、馬鹿…』
私は思わず苦笑した。
『(…あぁ…)』
やっぱり、切島くんには敵わないなぁ。
『…分かった』
小さく呟いた私の言葉が聞き取れなかったのか、切島くんは小首を傾げる。
「ん?」
『(切島くんの考え…自分達で爆豪くんを救けに行くって言うのは正しいことじゃない。それは切島くんも重々分かってるんだ)』
分かった上で。
分かった上で…切島くんは爆豪くんを救けに行くつもりなんだ。
それなら、私も分かってる。
分かった上で…
『私も一緒に連れてって…爆豪くんの所へ…!』
爆豪くんを救けたい。
私の言葉を聞いて、切島くんは大きく目を見開いた。
「い…良いのか!?いや、つーか一緒に来て欲しいって意味で言ったんじゃなくて、俺の気持ちを聞いて欲しかったっつーか…!」
『ここまで話しといて、置いて行くなんて酷いんじゃない?』
「ゔっ…」
私の鋭い突っ込みに、切島くんは苦い顔をする。
「…分かった。一緒に来てくれ」
切島くんの言葉に、私は大きく頷いた。
『相棒の頼みなら!』
「ごめんなモカ…ありがとな…!」
『ん…』
彼と正面から抱き合ったまま、コツンとおでこを合わせられる。
「今度は絶対に救ける。爆豪もモカも…俺が守る」
『うん…なんとかして、一緒に爆豪くんを救け出そうね』
私達は少し顔を離して、力強く頷き合った。