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"話がある"。
そう切島くんから電話で言われて待ち合わせ場所の公園に来た。
切島くんと私は並んで腰掛けている。
「モカ…傷、治ったんだな。良かった」
私の姿を見るなり、切島くんはほっとした様子で話し掛けてきてくれた。
心配させてばかりで申し訳無い気持ちになる。
『心配掛けてごめんね。昨日の夜、"個性"使って回復させたんだ』
今はすっかり塞がった傷口を見て私は苦笑して見せた。
『それより大事な話って…?』
「あぁ。爆豪のことなんだけどよ…」
『…』
なんとなく…嫌な予感がした。
「昨日モカが警察に行って事情聴取受けてる時、俺一人で病院に行っただろ?そこで偶然、轟に会ったんだ」
『轟くんに?』
切島くんの言葉を繰り返した私に、彼はこくりと頷く。
「緑谷の病室に行く途中、オールマイトが八百万と話してるとこに遭遇したんだ。少し陰から話を聞いてっと、B組の泡瀬に協力してもらって、敵の一人に発信機を取り付けたんだって。んで、捜査に役立てるために、受信デバイスをオールマイトに渡してた」
『………切島くん、まさか…』
「八百万に受信デバイスをもう一つ創ってもらう。そんで、それ持って爆豪を救けに行く…!!」
『…』
切島くんの言葉に私はぽかんとする。
そして一瞬の間を置いて、私は啖呵を切ったように勢い良く口を開いた。
『な…に、言ってんの…!?何言ってるか分かってんの!?ヒーロー免許を持ってない私達が敵地に乗り込むなんて危険過ぎるよ!それに発信機の示す所に行ったって、爆豪くんが居るかどうかは分かんないんだよ!?爆豪くんを救けに行きたい気持ちは分かるよ、私だって行きたい!でもこんなの私達がしゃしゃり出て良い幕じゃない!!』
珍しく声を荒げて捲し立てた私に、切島くんは驚いていた。
敵地に踏み入るなんて、そんなの。
『(そんなの…経験したこと無いから簡単に言えるんだよ…!)』
自分がピンチに陥っても救けを求められない、どうしようもない状況。
それがどれだけ不安で恐ろしいことか。
職場体験の時は死柄木弔の機嫌が良かったから、私はこうして何事も無く無事で居られたんだ。
「じゃあさ、このまま何もせずに待ってろっつーのかよ…!俺、施設で何も出来なかったんだ!ダチが、モカが危険な目に遭ってんのに、俺は何もしなかった!」
『それとこれとは話が違う!敵を甘く見過ぎだよ!』
「俺達三人、高校入ってから長い時間一緒に居ただろ!?モカはこのまま爆豪が拉致されっぱなしで良いのかよ!?」
『っ…!良い訳ないでしょ馬鹿!!』
私の大きな声が辺りに響いた。