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黒霧はスピナーとマグネを、瞬間的にワープゲートで移動させてしまった。
そして黒霧の靄が何度も私を襲ってくるが、マンダレイと虎さんによって私は守り通された。
そして黒霧はバツが悪そうに、"時間切れですか…"と呟いて、逃げるように去って行ったのだった。
「…行ったようだな」
虎さんのその一言を聞いて、確かに重苦しかった空気が少し緩んだ気がした。
私はへなへなとその場にへたり込む。
『こ、怖かった…!』
jk敵もスピナーもマグネも、私を連れて行くと、目標だと言っていた。
黒霧は言わずもがな、私を無理矢理連れて行こうとしていたし…
マンダレイと虎さんが守ってくれなければ、確実に私は連れて行かれていただろう。
『…お二人とも、ありがとうございました…!』
「えぇ、それよりその切り傷どうしたの!?重傷じゃない!施設まで歩ける?」
『平気です、それより爆豪くんは…!?緑谷くんも見失ってしまったし、洸汰くんが無事かどうかも分からなくて…!あと、森の向こうの岩場の所に敵の仲間らしい大男が…!』
言いたいことが多過ぎて纏まらない私の頭を、マンダレイはぽんぽんと撫でてくれた。
「落ち着きなさい、カフェキティ。とりあえず今は施設に戻って全体の安否確認が大事なんだよ。…分かるよね?」
優しい眼差しで見つめられれば、私は黙って頷くことしか出来なかった。
「虎!まだ辺りに敵が潜んでるかもしれない…この子は狙われてた訳だし、施設まで連れて行ってあげて!」
「さぁ行くぞ」
『はい…』
私は静かに返事をして、虎さんと共に施設へ向かった。
***
「モカっ!!」
『切島くん…!』
虎さんと共に施設へと戻った私を見て、切島くんが勢い良くこちらへと駆けて来てくれた。
『良かった…!怪我無かったんだね、切島く…うわっ!?』
「モカ…モカ!良かった…帰って来た…良かった…!!」
周りの目も気にせずに、ギュウゥウッと力いっぱい抱き締められて私は思わず苦笑した。
切島くんらしいや。
ただ…
『ごめん切島くん、ちょっと痛い…!』
切島くんに抱き締められると安心するのは確かなのだが、どうしてもjk敵に襲われた時のナイフの切り傷に響く。
「あっ悪ィ…!モカ、その傷…」
『うん…敵と遭ってね、やられちゃった』
「…!!」
普段ならすぐに"個性"で回復させてしまうので、私がこうして傷を人に見せるのは珍しいことだと思う。
切島くんも私の傷を見慣れていないため動揺しているようだ。
怪我をした誰かと遭遇した時のためにこの"個性"を使わず取っておいた訳なのだが、もう自分に使っても良いだろう。
他の負傷者は救急の方が手当してくれているし。
その時、後ろから声が掛かった。
「負傷者はこちらへ!怪我を見せてください」
『え、あ、はい…』
救急の方が私を見てそう言ったため、私は頷いた。
これだけの傷を"個性"で回復させると眠気も我慢出来なくなりそうなレベルだったので、私は救急の方に看てもらうことにした。
『ごめん切島くん、ちょっと行ってくるね』
「…」
…ブラドキング先生が通報してくれたようで、敵が去った15分後に救急や消防が到着して今に至る。
生徒41名の内、ガスで意識不明15名、重軽傷者12名、無傷13名、行方不明1名。
プロヒーロー6名内の1名(ピクシーボブ)が重体、もう1名(ラグドール)が血痕大量で行方不明。
敵は3名現行犯逮捕。
逮捕された敵の名は、マスキュラー、マスタード、ムーンフィッシュと言うらしい。
私が岩場で見つけた大男はマスキュラーと言う、数年前に洸汰くんの両親を殺した敵だったそうだ。
『(こんな形で昔両親を殺した敵と再会することになるなんて…皮肉過ぎる)』
私はやるせない気持ちになりながら、救急の方の処置を受けていた。