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***回想
春休みのとある一日。
切島くんはとある封筒を目の前でチラつかせる。
「モカ、今日は特訓やめてコレ一緒に考えようぜ!」
"被服控除"と書かれた封筒は確かウチにも届いていた。
雄英高校入学前に個性届、身体情報、デザイン等の要望を提出すると、学校専属のサポート会社が最新鋭の戦闘服を用意してくれるという素敵なシステムだ。
『そうだね、今日はそれ考えて…時間あったら市役所に個性届貰いに行きたいな!』
「あ、俺も行かねェと!っしゃ、パパッと終わらせんぞ!」
『おー!』
早速二人して作業に取り掛かる。
やっぱ"個性"をサポートしてくれるような機能は付けたいな。
あ、あとは体術も活かせるように動きやすくて軽い戦闘服が良い。
「…」
『…』
「…」
『…』
そして考えること一時間。
「『決まらん…』」
切島くんも決め兼ねているようで、うーんと唸っている。
『切島くん意外だね、なんかパパッと決めちゃいそうなのに』
「戦闘服考えるなんてワクワクし過ぎてさ!今すぐ決めるとか俺無理かもしんねェ!」
あぁ、なんだ楽しんでるのか。
確かにペンを持つ彼はなんだか嬉々としているようだ。
『私は要望が無さ過ぎて困るなぁ〜…ちょっと雑誌見せてね?』
「おう!」
参考までに、切島くんの持っているヒーロー雑誌をぺらぺらと捲ってみる。
彼等の戦闘服はみんな"個性"を上手く活かしているような仕組みになっているのが分かる。
『(でも…)』
女性陣はなぜか、ほぼみんなボディラインがくっきりした戦闘服だ。
こんなの誰が参考にするって言うんだ。
「あ、モカ!これは?」
『ん?どれ〜?』
捲っていた雑誌のとあるページを指差す切島くん。
指の先を視線で辿ると…
『18禁ヒーロー ミッドナイト…』
「なんかほら、薄くて軽そうだろ?動きやすいんじゃね?」
『いやコレ痴女じゃん』
「失礼だろ」
私の戦闘服は私自身で考えよう…彼にはもう何も聞くまい。
『切島くんのはどうするの?』
「カッコ良くて派手で、それでいて男らしい感じの!そうだなぁ…うーん…あっ!こんな感じで〜…」
何かを思い付いたのかさらさらと紙にペンを走らせている切島くんに倣い、私も思い付いたことを書いていく。
そして更に一時間後。
「『出来たー!!』」
完成した絵は特にお互いに見せ合うことはせず、出来たことに満足してその後はすぐに市役所へ向かったのだった。
***回想終了