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「あっ…アイツ、さっきやられてた敵!?」
峰田がツギハギ敵を指差すのと同時に、ツギハギ敵が手を振り翳す。
そしてそれをブラドキング先生がすかさず捕えた。
「遅いわ!!」
「!…操血!強ェ!」
「流石僕等のブラド先生!」
B組の物間がブラドキング先生を見て誇らしげにしている。
「こんな所にまで考え無しのガン攻めか、随分ナメてくれる」
「そりゃナメるだろ…思った通りだ、後手に回った時点でお前等負けてんだよ」
ツギハギ敵は捕らえられたままの状態でゆっくりと口を開いた。
「ヒーロー育成最高峰・雄英と、平和の象徴オールマイト…ヒーロー社会に置いて最も信頼の高い二つが集まった。ここで信頼の揺らぐような案件が重なれば、その揺らぎは社会全体に蔓延すると思わないか?何度も襲撃を許す杜撰な管理体制、挙句に生徒を犯罪集団に奪われる弱さ…」
"生徒を犯罪集団に…奪われる"?
「テメェ…!まさか爆豪を…!」
「拉致する気か!?」
「ざけんじゃねぇ!」
間違い無ェ、コイツ等は爆豪を拉致するつもりで来たんだ。
「(んなの、絶対モカも狙われる…連れて行かれちまう…!)」
俺は思わず硬化し、上鳴も電気を身に纏い戦闘態勢に入る。
「見てろ、ごくごく少数の俺達がお前等を追い詰めてくんだ…」
「貴様ァ!」
ブラドキング先生がツギハギ敵に拳を振りかぶったその時。
「無駄だ、ブラド」
「「「相澤先生!」」」
相澤先生がやって来た。
「コイツは煽るだけで、情報出さねぇよ!」
「抹消ヒーロー相澤先生…!」
ゲシゲシと容赦無く敵を踏んだり蹴ったりする相澤先生を見て、上鳴が小声で一言漏らす。
「それに見ろ、偽物だ。さっきも来た」
「偽物…」
「敵の"個性"か…!?」
相澤先生の足元には先程のツギハギ敵は居らず、泥の塊があるだけだった。
「イレイザー、お前何してた!?」
「悪い、戦闘許可を出しに行ったつもりが洸汰くんを保護してた。預かっててくれ、俺は戦線に出る。ブラドは引き続きここの護衛を頼む」
「待てイレイザー!まだどれだけ攻めてくるか分からん」
「ブラド一人で大丈夫だ。この偽物を見ろ、二回ともこれ一体だ。強気な攻めは、プロである俺等の意識をここに縛るためだと見た。人員の足りない中で案じられた策だこりゃ」
やり取りを交す相澤先生とブラドキング先生を見て、俺は身を乗り出した。
「敵が少ねえなら尚更俺も…!」
「ええ、数に勝るもの無しです!」
「だめだ!」
「「うっ…」」
飯田も加勢してくれたが許可は降りず、俺達は何も言えなくなる。
「プロを足止めする以上、狙いは生徒。爆豪がその一人ってだけで、他にも狙ってるかもしれん」
相澤先生の言うことは正解だと思う…
絶対に敵はモカを狙ってるはずなんだ。
「情報量じゃ依然圧倒的に負けてんだ。俺達はとりあえず、全員無事でいることが勝利条件だ!」
そう言いながら相澤先生は俺達に背を向け、走り去って行った。
「("全員無事でいることが勝利条件"…なのに俺ァ、ダチも好きなヤツも守れねェ、救けに行けねェのかよ…!)」
俺は歯を食いしばりながら地面を睨み付けた。
無事で居てくれ…
爆豪…!
モカ…!!
***切島視点終了